2015 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険施設における看護職者の雇用マッチング支援モデルの開発
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25670904
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 幸子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20286371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 千加代 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50597242)
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 介護保険施設 / 雇用マッチング / 看護師 / 人材確保 / 派遣労働 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年~平成27年に研究打ち合わせ会を行い、文献検討、及び新潟県、東京都、山形県の介護保険施設で働く看護師、管理者5名へのインタビュー調査、施設調査を行った。 看護管理者調査は、①看護師の確保の方法、②定着の状況、③定着のための支援を、看護師には①就労のきっかけ、②就労するにあたり必要な能力、③現在の施設で就労するにあたり役にたったこれまでの看護経験、④施設を超えた病院等との連携などである。 その結果、①看護師の確保の方法とその課題は、直接雇用の場合採用時面接だけで、能力や意欲がわからず難しく、採用し様子をみる場合もあること、常態的に派遣会社や人材紹介業者も利用しており、派遣であることが悪いわけではなく、中にはきちんと仕事をこなす人もいる。②病院での勤務経験自体は必要である。ブランクが長い人は離職する傾向はある。③定着にむけて研修が必要である、人間関係、特に介護職との関係が難しい。看護師調査では、①出産や子育てを契機に病院勤務を辞めており、生活との両立を考えていた。②及び③管理者同様、看護師の臨床経験が必要と考えていた。また、2~3年介護現場を経験することによって介護施設での看護は理解できる、と考えており、過去にも介護施設での就労経験を持つものが多かった。④関連病院との連携や、入居者が入院した場合に申し送りを行っているが、病院の看護師は介護施設や介護保険の仕組みが理解できていないと感じていた。さらに管理者と同様に、介護職との人間関係の難しさを指摘しておりそれが離職の原因にもなっていた。さらに介護施設では、病院とは異なり様々な物品、たとえば感染予防のための手袋やエプロンなどを経済的理由で使用できない施設もあり、感染予防のような看護の基本原則に則ったケアができないことも短期離職・雇用ミスマッチにつながっており、感染予防のような基本的な看護の体制整備の重要性が示唆された。
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