2014 Fiscal Year Research-status Report
日本の学部・大学院教育における新たな司法看護教育体系の創造
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25670924
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
日下 修一 聖徳大学, 看護学部, 教授 (00566614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友田 尋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (30237135)
三木 明子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30315569)
山田 典子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (10320863)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 司法看護教育 / 司法看護 / 看護教育 / 刑事施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1.日本の司法看護教育の実態を明らかにし、2.海外の司法看護教育を調査し、日本での司法看護教育の位置づけの検討を行い、3.刑務所での調査と伴わせて、学部教育、大学院教育での新たな司法看護教育体系を構築することである。 平成26年度は、目的の2のために、司法看護教育に関する海外の動向を調査するため、海外の文献調査を行い、司法看護教育の歴史的変遷と共に、海外においても十分な司法看護教育がなされるようになってきたのは最近のことであり、学部教育は途上にあり、卒後教育を中心とした教育がなされ、内容的には性被害者支援はもちろんのこと、暴力、児童虐待、矯正看護などの教育の必要性が明らかになり、日本における司法看護教育の必要性が再確認できた。なお、平成25年度の海外調査活動の報告を学術誌アディクション看護に投稿し、掲載された。 目的1のために、日本の看護系大学・大学院の看護教員へのグループインタビューを3か所で行い、20名のインタビュー結果を分析し、投稿準備中である。また、「司法看護にとっての加害者とは」というテーマ討論会を開催し、収録データをまとめ、アディクション看護に投稿した。医学書院の看護教育に「フォレンジック看護学(Forensic Nursing)への期待と展望」が掲載された。 目的3のために刑務所を訪問し、勤務する看護師に実施したヒアリング調査結果から、看護師に対する矯正看護の教育が十分でなく、看護学生への教育の必要性があることが分かった。平成26年11月29日、日本看護科学学会で「米国・日本における司法看護教育の実践-日本の大学・大学院での司法看護教育を考える」という内容での交流集会を開催し、参加した看護教員と討論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、グループインタビュー結果を分析中ではあるが、看護教育の雑誌にフォレンジック看護教育に関する論文が掲載され、看護系学術誌に投稿中である(目的1)。 司法看護教育に関する海外の文献調査により、海外においても近年まで十分な司法看護教育がなされず、卒後教育を中心とした教育がなされ、性被害者支援、暴力、児童虐待、矯正看護などの教育の必要性が明らかになり、日本における司法看護教育の必要性を再確認できた。また、平成25年度に参加した国際司法看護学会での海外の司法看護教育の実状を把握した内容の一部が看護学会誌に掲載された(目的2)。 また、刑務所勤務の看護師からのインタビュー調査により、看護師に対する矯正看護の教育が十分でなく、看護学生への教育の必要性があることが分かった(目的3)。 以上より、平成26年度は目的1と目的2、目的3はある程度達成できたといえるため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、研究代表者は、司法看護教育に関する海外の文献調査により、司法看護、司法看護教育に関する学会報告を日本看護学教育学会第25回学術集会で行うと共に、総説論文をまとめ、刑務所に勤務する看護師等からのインタビューを行い、矯正看護に関する看護教育のあり方を検討する。 研究分担者3名は、日本で求められる司法看護教育のあり方を明確にするため、行った質的研究の分析を行うことにより、日本の司法看護教育の実態を明らかにすると共に、「日本の学部・大学院教育でフォレンジック看護をどう教えるか」というテーマで研究代表者も含め、司法看護教育担当経験者を中心とした討論会を行い、日本の司法看護教育の方向性を明らかにする。 研究代表者と研究分担者の調査結果と併せて、最終目標である学部教育、大学院教育での新たな司法看護教育体系に基づく、カリキュラム案も含む看護教育内容をまとめ、ホームページ等で成果を発信する。
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Research Products
(4 results)