2013 Fiscal Year Research-status Report
身体論を用いた看護基礎技術習得のための 自己学習を支援する教育ツールの開発
Project/Area Number |
25670934
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
鮫島 輝美 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (60326303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 啓 京都光華女子大学短期大学部, ライフデザイン学科, 教授 (10610305)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護基礎技術 / 自己学習支援 / 教育ツール / 多覚的映像 / 身体論 |
Research Abstract |
本研究では、看護技術の基盤概念を〈相互身体的〉な関わりとし、大澤の〈身体論〉を採用し、技術習得の理論として、行動主義ではなく「状況論」を採用している。これらの理論を背景とし,基礎看護技術習得のための自己学習支援教育ツールの開発を目指す。具体的には、半強制的に〈相互身体的〉状況を作り出すことで、学習者の能動性と身体性を高め、看護技術習得を促進するために、学習者が複数の視点を能動的に変更できる視覚教材をタブレットにて再生可能なものとして開発し、その有効性を検証することを目的とする。 今年度は,視覚教材の制作に取り組んだ。多覚的な映像にするために一番問題となったのは,撮影用のカメラや影が映り込まない工夫をすることにあった。背景も切れ目のないものが必要であり,それが実現しない場合は,膨大な映像撮影後の処理作業が入ってくるため,時間的も費用的にも実現困難となる。そこで、考案したのが,切れ目のない多角柱(ほぼ円形)のスタジオを作り,そこでビデオ撮影するという解決策であった。その対応は井川が担当し,撮影美術製作業者に依頼し,特設スタジオセットを作成した。次に問題となったのが,プログラム上の問題であった。視聴者が見たい時に、見たい角度から映像を見られる状態にしておくには,4方向からの映像を同時に再生しておく必要があるため,データの容量が多くなるという問題があった。タブレットの処理能力の問題もあり,撮影や情報処理における技術的な問題を,東京の専門家に相談した。結果として,Web形式が最善であるということで,今回はこの方式を選択することとした。12月に京都光華女子大学の基礎看護学実習室に多角柱の特設スタジオを設置し,機材・カメラを持込んでの撮影となった。研究協力者の協力を得て,撮影は順調に進行し,「シーツ交換」「体位変換」「採血」「一時的導尿」の技術を撮影し,ビデオを作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
6月頃から、会議をはじめ,問題点の抽出,課題解決の方向性を早くから見いだすことができた。ビデオにおける背景の問題は,主に井川が担当し,技術的な問題は,井川と協力者である塚本氏が対応した。専門家の助言もあり,大きな問題なく解決策を見いだすことができた。 撮影に関しては,技術面は,井川と協力者である塚本氏が対応し,大きな問題なく進めることができた。看護技術面は,鮫島と研究協力者である鈴木氏とで対応し,特に問題は発生しなかった。研究計画は,ほぼ予定通り進行しており,今年度は,第一段階であるビデオ作成まで実行することができている。平成26年度は,技術ビデオの検証が実施可能な状態にあるため,計画に支障はないと考えている。学会発表においては,日本看護研究学会へのポスター発表を申請しており,承認待ちの状態である。日本教育心理学会も発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,このツールを用いて,それぞれの条件下で、実際に看護学生に技術練習をしてもらい,その効果を検証する計画である。現在,所属大学の倫理審査申請中であり,問題なければ,協力学生を募集し,検証段階へ進める予定である。9月ごろまでに,検証を終了し,その後結果をまとめ,考察に入る計画である。学会発表や国際学会参加をする中で、研究の方向性や内容を精査し,有効な結果が得られるよう慎重に進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初購入予定としていた、タブレット端末であるが,研究代表者の所属大学に新しく50台導入されることが明らかになり,授業や研究で使用が可能な状態になった。そのため,この研究のためだけにタブレット端末を購入する必要が無くなった。追加としてデータ処理のためのノートパソコンなどハードの充実に当てた。学会発表用の交通費が今年度は未使用であったことと、ビデオの検証のための人件費が今年度は使用しておらず,その予算が次年度へ持ち越しになっている。しかし,当初予定していたより,撮影用の特設スタジオや技術的費用が嵩む可能性もあり,成果物がより汎用性の高いものとなるよう、有効活用できるよう十分に配慮し,使用して行く予定である。 旅費に関しては、国内学会発表2件、国際学会参加1件を予定しているため、予算通り執行できる予定である。また、次年度の研究課題はビデオの検証にあるため、謝金として予算通り執行する予定である。また、学生へのインタビューのデータ処理など事務作業に対する人件費とビデオ作成のための技術提供費としてその他の予算を執行する予定である。
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