2014 Fiscal Year Annual Research Report
身体論を用いた看護基礎技術習得のための 自己学習を支援する教育ツールの開発
Project/Area Number |
25670934
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
鮫島 輝美 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (60326303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 啓 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10610305)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護基礎技術 / 自己学習支援 / 教育ツール / 多覚的映像 / 身体論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、看護技術の基盤概念を〈相互身体的〉な関わりとし、大澤の〈身体論〉を採用し、技術習得の理論として、行動主義ではなく「状況論」を背景とし,基礎看護技術習得のための自己学習支援の教育ツールの開発を目指した。 今年度は,「シーツ交換」「体位変換」「採血」「一時的導尿」の技術の動画を撮影し,タブレット端末で再生できる学習支援ツールを作成し、そのツールを用いて実際に看護学生に技術練習をしてもらい,その効果を検証を試みた。当初予定していたタブレット用のアプリとするのではなく、動画のデータをサーバーに保管し、インターネットを通じて、タブレット上で再生する方式を採用した。 実験には、22人の学生の協力が得られた。1つの技術について、練習時間を固定したチームと、期間中に自由に練習してもらうグループとに分け、練習前と練習後とにビデオ撮影を行い、その技術変化を評価した。練習中には、練習内容、技術の振返り、再生回数、ビデオの使用感、ビデオの改善点、について自由に記載してもらった。教育ツールの使用感については、「わかりやすい」「何回も視聴できる」「観たい方向からみることができる」などの好評価が得られた。技術についても、概ね技術の向上がみられた。グループ間や学生間にも上達度の差がみられたが、ツールの使用状況や身体の使い方など、指標を増やし、今後、詳細に結果を評価していく必要がある。 作成したビデオは、学会発表するたびに好評を得ることができた。また、いくつかの企業が興味をもった。商品化に関しては、今回研究開発したプログラムを閲覧できるパスワード付き看護技術書を出版販売する方法や、教育のクラウド化の流れに沿った教育配信サービスの教材プログラムとして商品化する可能性が考えられる。今後、出版社や印刷会社、ソフト制作会社などと連携して、教育ソフトとして実現化させるための働きかけを試みる計画である。
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