2013 Fiscal Year Research-status Report
サーモグラフィを体温管理に応用した基礎および感染症看護ケアシステムの構築
Project/Area Number |
25670937
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
芝田 宏美 兵庫医療大学, 薬学部, 助手 (20509137)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柴 賢洋 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70301827)
夏秋 優 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60208072)
堀江 修 天理医療大学, 医療学部, 講師 (50304118)
新谷 奈苗 関西国際大学, 保健医療学部, 准教授 (70461324)
中村 百合子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (10364118)
津田 智子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (30305172)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | サーモグラフィ / 感染制御 / 発熱判定 / 感染症看護 / 基礎看護 / 皮膚温度 |
Research Abstract |
平成25年度の目標は、発熱患者と健常者のサーモグラフィデータの蓄積と解析、発熱患者の病態解明、看護ケアに必要なシステムの構築である。 発熱患者のサーモグラフィデータの収集は、インフルエンザ疑いの患者を中心に発熱患者のサーモグラフィ測定を行い、約50例のデータを集積することができた。データの精度においても、馴化時間や室温・湿度といった環境条件を、日本サーモグラフィ学会の診断基準に準じた規定にて測定できており、精度の高いデータを集積することができた。発熱患者の病態解析においては、インフルエンザのタイプ、体温、症状、発症時期、服薬状況、周囲のインフルエンザ罹患状況、体質などについて、精査と詳細な問診を行っているため、病態とサーモグラフィの関係がより明らかになることが可能と推測される。 健常者のサーモグラフィ測定は、ボランティアを対象に50例のデータを蓄積した。発熱患者と健常者のデータ解析を行い比較検討した。皮膚温度は環境条件によって変化しやすいため、過酷な環境でもサーモグラフィが有用であることを検証することは重要である。発熱患者の皮膚温が高温環境で測定した健常者の皮膚温よりも高温であることを確認し、サーモグラフィによる発熱判定の有用性を明らかにした。 看護ケアに必要なシステムの構築については、臨床業務に携わる看護師に調査を行った。実際に測定する看護師はサーモグラフィ検査に熟練していないので、簡易に検査ができること、判定は迅速かつ簡便に行えること、データの解析や保存の手間を削減することという要望が明らかになり、臨床現場に則した課題が明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年冬季のインフルエンザは大規模な流行とはならず、予定していた患者数よりデータ集積が少なくなった。このため、対象を厳選して正確に測定を行い詳細な病歴管理を行うことにより、精度の高いデータを集積し統計解析に有効なデータ数を確保した。 新たに開発されたサーモグラフィ装置の購入を予定していたが、企業の開発理由により販売開始時期が大きく遅延した。本研究は新規開発された機器でなければ成立しないため、購入の時期が翌年度になったことは本年度の達成度に影響した。 26年度研究計画の看護ケアシステムのためのソフト開発の課題を25年度に前倒しで行なった。ソフト開発が国内の企業だけでは困難であることが研究開始後に明らかになり、作成が遅れないようにするため本年度から着手した。 以上の理由により、本年度の達成度は少し遅れていると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も、発熱患者と健常者のサーモグラフィデータの蓄積と解析、発熱患者の病態解明を継続して行う。25年度同様にインフルエンザが流行しない場合は、測定施設数を増やすことを念頭に置いている。また、広汎な看護業務に適応させるため、インフルエンザ以外での発熱患者も対象としてデータを収集していく予定である。さらに、サーモグラフィ測定の経験に乏しい看護師でも測定と判定が容易にできるようにするため、ソフトの開発を積極的に進めたいと考えている。ソフトの開発が国内の技術だけでは難しい場合は、海外の大学との共同研究やヨーロッパサーモロジー学会との提携を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規サーモグラフィ装置の開発が遅れ販売時期が延期になったため、平成25年度内に購入することができず、次年度使用額が生じた。 新規に開発されたサーモグラフィ装置を購入する予定である。
|