2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670943
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福良 薫 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30299713)
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 臨床看護技術 / 排便促進 / 透析 / 看護技術の評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
透析患者は,尿毒症や代謝異常,栄養障害,酸塩基平衡に異常を来しやすいことから,全般的に腸管の筋層が薄弱になり筋力低下が生じやすい.このことから腸蠕動も微弱になり,腸管の便の移送が困難になる.加えて水分制限があり,透析時の除水により便の高度が増すという悪循環に陥りやすい.透析患者の便秘に関しては,看護においても重要視されてきたが,看護援助の方法はいまだ確立されていない.そこで本研究では,自然排便を促進する看護技術の臨床適応化を目的とした.慢性的な便秘を有する透析患者を対象に,自然排便を促進する新たな看護技術として腰背部に微振動をかける方法(腰背部微振動)の排便に関する効果についての研究を実施した.平成28年度は,透析患者を対象に腰背部微振動による排便状態の変化について事例による検討を行った.週3回外来において透析を実施している患者は常習的な便秘がみられた.腹部CTの所見から,狭窄などの物理的通過障害はないため,便秘の種類は機能性便秘であると考えた.患者は緩下剤も常用しており,便秘による苦痛を訴えていた.そこで,週3回の透析時に腰背部微振動を実施し,排便に関する状態について,排便頻度,便の性状(ブリストルスケール),排便時の主観評価,緩下剤の量,腸蠕動音などを指標として評価した.腰背部微振動開始後1週目から2週目にかけては4日間連続して排便がみられ,排便頻度の平均が4.5日に一回から1.6日に一回みられるようになった.ブリストルスケールも平均3~4(やや硬い便~普通便)であったが,腰背部微振動後は平均4~5(普通便~やや軟らかい便)となり,主観的にもスムーズに排便が可能な頻度が多くなったという評価が得られた.また,緩下剤の服用量もわずかではあるが減少した.
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