2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670970
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅沼 信彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30179113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 浩子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20315857)
亀田 知美 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30634183) [Withdrawn]
山口 琴美 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40432314)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 妊娠糖尿病 / 運動療法 / ウォーキング / ヘモグロビンA1c |
Outline of Annual Research Achievements |
出産年齢の高齢化に伴い、妊娠糖尿病リスクが増加し、新たな診断基準に則れば、妊婦の約7%に発症すると報告されている。妊娠糖尿病が、母体ならびに新生児に悪影響を与えることは言うまでもない。また以降の2型糖尿病への移行が高頻度でみられる。 糖尿病の治療管理には、食事療法、薬物治療とともに運動療法が挙げられるが、妊婦に対する安全性の懸念から、運動療法は一般的ではない。しかしながら、歩行などの軽度の運動療法は妊婦にも実施でき、より効果的な治療法となり得る可能性がある。 そこで我々は、適格基準を満たす妊娠中期(妊娠14-18週)の正常妊婦を対象とした研究をデザインし、通常の妊婦検診の採血時の一般検査データとともに、歩行運動により随時血糖値、ヘモグロビンA1c等の耐糖能を示す生化学的指標がいかに変化するかを検討した。また、栄養摂取量は、a Brief-type Self-administered Diet History Questionnaire(BDHQ)を用いて評価した。その結果、4週間の歩数計を装着した妊婦35例の解析により、随時血糖値が6000歩/日以上の歩行を認めた妊婦(83.0mg/dL)においては、6000歩/日以下の妊婦(90.0mg/dL)に比べ、有意に低下した(p=0.012)。カロリー消費量も、多歩行群(187.1kcal/day)の方が、少歩行群(119.8kcal/day)に比して明らかに多かった。これらの結果から、妊婦の耐糖能異常が、単純な歩行運動のみによっても改善される可能性が示唆された。 そこで、妊娠糖尿病を発症した30例の妊婦に歩数計を配布し、運動介入を行った群と、介入を行わなず観察のみとした群における耐糖能改善度を比較検討するため、上記と同様の指標を計測した。さらにカルテベースにおいて妊婦検診、分娩記録、新生児所見などの情報を収集中である。
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