2015 Fiscal Year Research-status Report
腟内細菌叢に着目した早産予防のための妊婦の好ましい生活習慣の検討
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25670984
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐々木 くみ子 鳥取大学, 医学部, 教授 (00284919)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腟内細菌叢 / 妊婦の生活習慣 / 細菌性腟症 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊婦の細菌性腟症と早産の関連が指摘されており、妊婦の生活習慣が腟内細菌叢に影響を与える可能性も示唆されている。つまり、妊婦の腟内細菌叢を健常化する生活習慣を探索し励行する、あるいは細菌性腟症の発症に関連する生活習慣を中止することが、細菌性腟症の発症を予防することにつながり、結果として、細菌性腟症に関連した早産を減少させる可能性がある。 27年度は、妊婦の生活習慣が腟内細菌叢に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、妊娠初期(~16週)の妊婦を対象に観察研究を実施した。平成27年度は、全期間をデータ収集期間にあててデータを収集した。データ収集は調査紙調査142件と腟分泌物の採取54件を実施した。調査紙調査では、対象妊婦の属性、産科歴、就業状況、ストレス状態、食・清潔・排泄・性習慣、その他生活状況、妊娠経過について、妊婦の自記式調査および研究者による診療録調査を実施した。採取した腟分泌物について、直ちにpHを測定し、残りを炎症性サイトカイン(インターロイキン1β、8、6、TNFα)を測定するために、適切に処理し超低温で冷凍保存した。 現在、調査紙による観察データの統計解析およびELISA法を用いて試料のサイトカイン濃度測定を開始したところである。炎症性サイトカイン濃度については、分析途中ではあるが、腟分泌物のグラム染色塗抹検査である、Nugent scoreよりもpHとの相関が強い可能性がある。 平成28年度は、収集データおよび試料のサイトカイン濃度測定を終了させ、生活習慣が腟内細菌叢に及ぼす影響を詳細に分析し、研究成果をまとめる。その後、研究成果を公開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本課題は、平成27年度が研究最終年度であった。しかし、データ収集開始後に、研究協力者の異動に伴い研究協力施設が1施設減じたため、残る1施設でのデータ収集期間を延長したことにより研究進度が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集が終了し、データ・試料分析を開始したところである。平成28年度前期で、データ分析を終了させ、研究目的である、腟内細菌叢の正常化と関連する妊婦の生活習慣を抽出する。平成28年度後期は、研究成果をまとめ、さらに研究結果を公表する期間とする。
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Causes of Carryover |
研究協力者の異動に伴い、研究協力施設が1減となり、残りの協力施設でのデータ収集期間が延長した。そのことによって、平成27年度はデータ収集を完了することを優先し、データ・試料分析は、開始したばかりとなった。試料のサイトカイン測定キットが高額であることが影響し、分析を平成28年度に行うために、多額の助成金の繰り越しが発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の多くを、炎症性サイトカイン測定キットの購入に充てる。正確な測定値を得るためには、複数回の測定が必要となる。したがって、研究期間延長による助成金の使用目的の変更はなく、計画通り試料分析と成果発表に使用する。
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