2014 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の母親のレジリエンスに焦点をあてたメンタルヘルスケアプログラムの開発
Project/Area Number |
25670985
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
舞弓 京子 久留米大学, 医学部, 准教授 (50352191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 明子 久留米大学, 文学部, 講師 (40469359)
森本 紀巳子 久留米大学, 医学部, 教授 (80268953)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発達障害 / 母親 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「発達障害をもつ子の母親が抱える葛藤と対処のプロセス」 目的:発達障害の子をもつ母親の役割機能から生じる葛藤と対処のプロセスを分析し,母親のレジリエンス構築要因について考察する。対象:A市内中学校のタイムケアや親の会に所属する母親9名。子の年齢は,15歳以上。方法:面接調査。面接時間は1時間半,プライバシーの守れる場所で行い,研究の目的,方法などについて説明し同意を得た。面接内容は,子育てにおける困難な出来事と対処行動とした。また,母親自身の親,夫,子どもたち,同世代の子をもつ母親との関係の中で抱く葛藤に焦点をあてた。分析:グランデットセオリーを用いた質的帰納的分析を行っている。今後,学会発表を予定している。 2.「海外視察:オランダにおける発達障害児の母親支援」 期間:平成27年2月14日(土)~平成27年2月21日(土)同行者:市川泉(精神保健福祉士),姫野健太(タイムケア支援員),通訳はリヒテルズ直子氏(オランダ在住:教育学者) 目的:多様な教育制度や環境の中で,発達障害の子をもつ母親が孤立せず,療育できる要因について明らかにし,母親支援プログラムの検討に活用する。 訪問先:①初等学校(De Regenboog) ②発達障害児保護者団体Balans ③GGZ CENtraal Ermelo ④特別支援学校(De Bonte Vlinder) ⑤現場訓練校(De Einder) ⑥MEE障害者支援団体 ⑦教育・労働・住施設De Binkhorst(Cello)。7施設を訪問し,利用している母親へのインタビューも行った。オランダでは,初等教育から,画一的ではなく,一人一人の能力が異なることを認め合う教育が行われ,障害をもつ子の母親も相談や制度を申請することにより,母親自身の生活も守られ,子の生涯にわたるサポートを受けることができる安心が日本とは異なっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
面接調査の分析に時間を要していること,メンタルヘルスプログラム内容の検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施予定であった質問紙の作成と調査フィールドの開拓を早急に行うこと。 平成27年度メンタルヘルスプログラムについて,当初専門職による心理教育を実施する予定であったが,当事者の意見も含めたプログラムを作成することで,調査内容を反映したオリジナルなプログラムを作成するこを考えている。
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Causes of Carryover |
平成26年度所要額においては,オランダ視察に係る旅費を請求することが困難であったため,平成27年度予算から支出する予定にしている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は①平成26年度オランダ視察旅費②アンケート調査の調査用紙作成とデータ入力の人件費③メンタルヘルスプログラム実施に向けた諸経費④報告書作成として使用する予定である。
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