2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の行動特性に基づく座位時転倒・転落アセスメント・ツールの開発
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25670998
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
白井 みどり 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (30275151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 有香 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (10438236) [Withdrawn]
佐々木 八千代 大阪市立大学, 看護学研究科, 准教授 (10382243)
秋山 庸子 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50452470)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 事故 / ヒヤリ・ハット / 座位姿勢 / 動作 / 車いす / 介護保険施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
介護保険施設等における座位時の転倒・転落事故の実態を明らかにするため、介護老人福祉施設(特養)7施設、介護老人保健施設(老健)5施設、計12施設の過去1年分の事故/ヒヤリ・ハット報告書から情報を抽出した。抽出した項目は事故/ヒヤリ・ハットの発生の時間、場所、状況(姿勢・動作、座っていたものなど)などとした。 事故/ヒヤリ・ヒヤリハットの報告件数は9446件(特養6105件、老健3341件)、うち座位時の転倒・転落は延べ846件(9%)で、特養462件(8%)、老健384件(11%)であった。 座位時の転倒・転落は9%であった。発生月は4~6月、発生時間は6~17時が多かった。発生場所は特養では食堂・デイルームが、老健では居室が最も多かった。発生場面は特養、老健ともに不明確なその他が最も多く、次いで排泄場面であった。姿勢については、特養では事故/ヒヤリ・ハットに遭遇した高齢者の3割以上が仙骨座りで、事故では上半身が前傾した姿勢の高齢者が39%であった。老健では、事故は上半身が前傾した姿勢の高齢者が28%、ヒヤリ・ハットでは51%の高齢者が仙骨座りをしていた。発生時の動作は、特養の事故では立ち上がろうとしてが最も多く、ヒヤリ・ハットでは何もせずに座っていたが最も多かった。老健では、事故、ヒヤリ・ハットともに移乗が最も多かった。発生時に座っていたものは特養、老健ともに車いすが最も多く、さらに老健ではベッドも多かった。座位からの転倒・転落によって身体的影響、精神的影響を受けている高齢者は少なかった。 今後も解析を進め、事故の状況(発生時間、場所、場面、何をしていたかなど)や高齢者の特徴(健康状態、行動、姿勢など)が座位時の転倒・転落事故/ヒヤリ・ハットの予測因子になりうるかについても検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実態調査は25年度から26年度前半での実施を計画したが、研究協力施設のリクルート、事故/ヒヤリ・ハット報告書からの情報抽出作業に時間を要した。さらに、倫理的配慮から研究参加者に情報抽出を依頼したため、データの確認や追加が必要となり、26年度末までかかった。 26年度実施予定であった高齢者を対象とする座位時の動作とその頻度等の測定項目は、25年度の実態調査結果をもとに検討する予定であったため、26年度は測定プロトコルの作成にとどまり、実際の測定は27年度に実施することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、高齢者を対象とする座位時の動作とその頻度等を測定し、その結果と25年度および26年度の実態調査結果から、座位時における転倒・転落の危険性を予測するアセスメント・ツールを作成する。
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Causes of Carryover |
26年度実施予定であった高齢者を対象とする座位時の動作とその頻度等の測定項目は、25年度の実態調査結果をもとに検討する予定であったため、26年度は測定プロトコルの作成にとどまり、実際の測定は27年度に実施することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度測定にかかる費用、分析にかかる費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)