2013 Fiscal Year Research-status Report
公衆衛生看護教育に有用で実践的な包括的ケースメソッドの開発と効果分析
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25671013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥野 ひろみ 信州大学, 医学部, 教授 (60305498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 明美 信州大学, 医学部, 講師 (60299881)
高橋 宏子 信州大学, 医学部, 准教授 (80195859)
五十嵐 久人 信州大学, 医学部, 准教授 (90381079)
石田 史織 信州大学, 医学部, 助教 (20710065)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 保健師 / 包括的ケースメソッド / 教育方法 / 介入研究 |
Research Abstract |
今年度は、保健師学生の実践力を高める教育手法としての包括的ケースメソッドの作成および、包括的ケースメソッドを実際に活用してもらう研究協力大学を募った。 本年度開発した包括的ケースメソッドのシナリオは、分野1「個別~集団ケアのアプローチ」と分野2「集団・地域アプローチ」の連続したシナリオの開発を行った。シナリオの内容は、1.母子保健として発達障碍児の支援、2.成人保健として特定健診・特定保健指導を軸にした支援についての開発を行った。いずれのシナリオも、現状の保健活動との齟齬がないように、市町村勤務の中堅から指導者の保健師5名から意見をもらい、内容の修正を行った。その後、公衆衛生看護の専門家(看護系大学教員3名)と、内容や実施方法および研究の視点についてディスカッションを行い、調査内容や教員への実践ガイドの説明書等の確認、修正を行った。包括的ケースメソッドは15回の授業時間を活用して実施するプログラムを基本とするが、学校の状況によりすべての実施が不可能な可能性もあり、その学校の活用方法に合わせ、効果の判定が可能となるように配慮した。 作成した資料は、ケースメソッドシナリオ(母子保健・成人保健)、教員用のケースメソッド解説書(学生の実施内容を確認できる内容が含まれている)、実施方法(学生用、教員用)、調査書(実施前、実施後)、ケースメソッド中の報告会評価票(学生の発表に対するコメント記載)等である。 研究協力大学の募集は、全国保健師教育協議会に加入している学校名簿を用いて、依頼を行った。結果次年度は5校で実施することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画である、分野1および分野2に関する包括的ケースメソッドの作成は2つの保健分野に関して実施できた。市町村保健センター勤務の保健師および専門家からのアドバイスをうけ、現場に即したケースメソッドのシナリオを作成できた。分野3「危機管理」についての作成は完成に至っていないが、26年度には活用可能な状況にすることが可能である。協力大学については当初10校を予定していたが、5校となった。しかし、2年間続けての研究協力校およびH27年度の協力校もあり、データ分析に対応可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は「高齢者」「精神」および「危機管理(感染症)」などの包括的ケースメソッドの開発を実施する。 5校の研究協力大学での実施に向けて、すでに開発した「母子保健」「成人保健」資料の配布を行い担当教員との連携を密にし、包括的ケースメソッドを活用した授業を各校で実施する。実施の効果分析については、ケースメソッドのシナリオを用いた教育の前後に調査票を用いた自記式アンケート調査を実施予定である。加えて聞き取り調査も実施予定である。聞き取り調査はこのプログラムを体験した学生が個別ケアから集団・地域へとケアを広げていくことをどのように理解したかに焦点を当てる。加えて教員から教育方法についての聞き取り調査を実施する。協力校については、26年度および27年度の協力を依頼し、対象数を増やす予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画で見込んだよりも安価に研究が完了したため、次年度使用額が生じた。 使用計画は、翌年度以降の請求額とあわせて使用する。翌年度は、研究参加校への聞き取り調査のための旅費、アンケート調査処理のための人件費、資料作成のための物品購入などを計画している。
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