2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25704018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
埴淵 知哉 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (40460589)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 近隣 / 健康 / 地理情報システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、近隣の居住環境が住民の健康にどう影響するのかを、日本社会を対象にして解明することにある。 本年度は主に、JGSS(日本版総合的社会調査)の2010年データに、最新の近隣環境指標を作成して付加する作業を進め、完成したデータの解析作業までをおこなった。JGSS-2010には「健康」に関して多くの調査項目が組み込まれており、様々な健康指標の分析が可能である。また、JGSSは全国代表サンプル調査であり、かつ小地域レベルの地理情報が利用可能なデータである。 JGSS-2010に結合する地理的指標として、まず2010年国勢調査の小地域統計を用いて、町丁・字等レベルでの社会経済的状況や居住流動性など、各種の近隣環境指標を算出した。さらにGISを用いて、道路密度、公園への近接性、そして商業集積地へのアクセスといった項目からウォーカビリティ(歩きやすさ)指標を作成した。これらの各種近隣環境指標を、JGSSの調査地点情報を利用して個票データに結合することで、回答者個々人の健康状態と、その人が居住する地域の近隣環境の関連性をマルチレベルモデルにより解析した。 利用した健康アウトカム指標は、主観的健康感、健康関連QOL(SF-12)、運動頻度、喫煙状況などである。解析の結果、客観的な近隣環境指標と健康指標の間には、一部の組み合わせについて有意な関連性が確認された。ただし、JGSSの調査項目から作成した主観的な近隣環境指標のほうが、より強い関連を示すことも明らかになった。以上の解析結果については、来年度以降、速やかに論文としてまとめて公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に進める予定であったデータ構築および解析作業は、おおむね研究実施計画に記載した通りに順調に完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ本研究計画はおおむね順調に進展しており、計画の変更は考えていない。研究実施計画に従って調査および分析作業を進めるとともに、本研究目的の達成に有効である場合、他の研究プロジェクトとの連携についても適宜追加していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は、地理情報のデータ収集・クリーニング等に際してアルバイトを雇用する予定であったが、適当な人材が見当たらず自身で処理したため、その分の経費が不要となった。 適当な人材が確保できれば、残されているデータ処理の作業をアルバイトを雇用して進める。もしくは、インターネット調査を実施する予定であるため、そこで少しでも多くのサンプル数および設問数を確保するために使用する。
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Research Products
(4 results)