2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25704018
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
埴淵 知哉 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (40460589)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 近隣 / 健康 / 地理情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず前年度に実施した全国代表サンプル調査と近隣環境指標を組み合わせたデータに対する分析結果を取りまとめ、専門誌への投稿作業を進めた。具体的には、近隣の歩行環境(walkability)と身体活動の関連、および、近隣の剥奪水準や歩行環境と健康関連QOLとの関連性についての分析結果を、それぞれ国際誌と国内の学会誌に投稿した。 また、デイリーリズムを考慮した近隣と健康の研究に向けて、探索的なインターネット調査を実施した。調査では2000サンプル以上を確保し、主要テーマである睡眠や騒音被害、騒音感受性などについての基本情報を収集した。さらに、自由記述欄を通じて、人々が感じる音の環境についての質的な内容を把握した。同調査は次年度に予定している本調査のプリテストを兼ねており、睡眠や騒音感受性に関する各種設問の有効性を確認するとともに、近隣騒音の発生源に関する基礎データを取得した。ここでの集計結果は、本調査の設計に際しての検討材料にする予定である。 さらに、インターネット調査の研究利用に関して、標本の代表性や回答の精度についての分析をおこなった。面接や郵送といった伝統的な社会調査手法が困難になるなか、インターネット調査の利用可能性を検討する必要性が高まっている。本年度に実施した調査では、従来の指摘と同様の標本の偏りとともに、都市的地域への回答者の偏在など、地理学的な分析に際して留意すべき注意点が導出された。この分析結果は、基礎研究の成果として学会誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた論文投稿作業や、探索的なインターネット調査は予定通りに進んだ。したがって、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進展しており、大幅な変更は予定していない。当初の計画に沿って、次年度に本調査を実施し、各種の分析を進める予定である。ただし、それに加えて、他の研究プロジェクトにより収集されたデータの利用を検討しており、それが可能になった場合には、近隣環境の健康影響に関する実証研究をより包括的に進めることができる。
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Causes of Carryover |
予定していた調査委託のサンプル数調整などによって次年度使用額が生じたものの少額であり、基本的には計画通りに使用している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は少額であるが、予定している本調査の調査委託費に充当する。
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Research Products
(8 results)