2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質により増殖促進する乳酸菌の機構解明と新概念ニューロバイオティクス提唱
Project/Area Number |
25712032
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
遠野 雅徳 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門飼養管理技術研究領域, 主任研究員 (50547718)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 微生物 / 畜産学 / 乳酸菌 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腸管神経系と乳酸菌の新たな相互作用の追究を目指して、神経伝達物質認識性乳酸菌による消化管内細菌叢の悪化を予防・改善する新発想の機能性食品・飼料の創成に資することを目的としている。 最終年度では、これまでに検討した供試乳酸菌のゲノム解析を基礎として、本機能に関連が予想される遺伝子を有する乳酸菌IWT192株を選抜後、選抜乳酸菌を生体内に給与することによる消化管内細菌叢への影響を調査した。 ルーメンフィステル装着ホルスタイン種乾乳牛に、たちすずか稲ホールクロップサイレージ(無添加及びIWT192株添加)を主成分とする餌を給与した。継続給与後、採血とルーメン液のサンプリングを定法に従って実施した。ルーメン細菌叢由来16S rRNA遺伝子アンプリコンを次世代シークエンサにより菌叢解析し、リアルタイムPCR法により定量解析した。 実験区間のルーメン内pH、各種有機酸含量並びに各種血液学的・生化学的検査結果に統計学的に有意な違いは認められず、本菌株投与による生体への悪影響はないと考えられた。Phylumレベルのルーメン細菌叢解析により、各実験区で顕著な相違は認められず、個体ホメオスタシスにも関連するルーメン細菌叢を劇的に変化・悪化させることはなく、安全性は高いと考えられた。一方、OTU主成分解析により、各処理区間でのプロット結果に違いが見られた。Genusレベルでの検討の結果、IWT192株給与区においてのみLactobacillus属が検出され、16S rRNA遺伝子コピー数が有意に上昇していた。 以上のことから、IWT192株給与により、ルーメン内細菌叢に劇的な変化は誘導されず、生理学的に安定なルーメン環境が担保される一方で、Lactobacillus属が特徴的に検出されることから、神経伝達物質認識性乳酸菌の消化管内における生育・生存動態に興味が持たれた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)