2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanistic understanding of consequences of species loss on ecosystem functioning and stability based on plant functional traits
Project/Area Number |
25712036
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐々木 雄大 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (60550077)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生態系の多機能性 / 生態系の安定性 / 応答の多様性 / 草原の持続的利用 / 降水量変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間社会は生態系による多様な機能の安定的な供給に依存しており、環境変動に対して生態系の機能を安定的に維持・管理するための知見の確立は地球的な課題となっている。本研究の目的は、中国内モンゴルシリンゴル草原の実験サイトにおいて植物種を除去する実験操作によって、生物多様性の消失が生態系機能に与える影響とそのメカニズムを植物の形質に基づいて解明することである。本年度も昨年度に引き続き、多様性レベルが操作された128の実験プロットにおいて、種組成(各種の被度および個体数)、地上部・地下部生産量、炭素フラックス、リター分解速度、窒素無機化速度を調査した。また、サイト内の主要な草本種20種の単植区において、地上部・地下部生産量および炭素フラックスの測定を行った。 最終年度である本年度は、これまでの経年データを用いて、降水量変動下における生態系の機能および多機能性(対象とした機能は、地上部生産量、総一次生産量、地下部生産量、生態系呼吸、リター供給量の5種類の機能)の安定性を決定する生物多様性の要素を特定し、多機能性の安定化メカニズムを検証した。結果、種の応答の多様性(response diversity)が高いほど、環境変動に対する種の非同調性が高く、種の非同調性が高いほど多機能性の安定性が高くなることがわかった。また、観測年を通した群集バイオマスの平均が高いプロットほど、多機能性の安定性が高くなることがわかった。このような多機能性の安定化メカニズムは、多様性が消失するシナリオ(操作によって消失させる機能群が実験プロットごとに異なる)には依存しなかったため、本研究地域における一般的なメカニズムであると考えられた。最終年度の成果は、生態系機能を捉える次元の拡張に加えて、時間の次元を考慮することで、多機能性の“安定性”を規定する要因を特定し、そのメカニズムを解明した世界に先駆けた成果である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Differential responses and mechanisms of productivity following experimental species loss scenarios.2017
Author(s)
Sasaki, T., Yoshihara, Y., Takahashi, M., Byambatsetseg, L., Futahashi, R., Nyambayar, D. & Suyama, Y.
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Journal Title
Oecologia
Volume: 183
Pages: 785-795
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Isolation predicts compositional change after discrete disturbances in a global meta-study.2017
Author(s)
Shackelford, N., Starzomski, B.M., Banning, N.C., Battaglia, L., Becker, A., Bellingham, P.J., Bestelmeyer, B., Catford, J.A., Dwyer, J.M., Dynesius, M., Gilmour, J., Hallett, L.M., Hobbs, R.J., Price, J., Sasaki, T., Tanner, E.V.J. & Standish, R.J.
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Journal Title
Ecography
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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