2014 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー可視光線であるブルーライトによる動物細胞障害過程の解明
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25740018
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 一臣 玉川大学, 農学部, 准教授 (10554991)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アポトーシス / 細胞死 / メラノーマ / 可視光線 / ミトコンドリア / メラニン生成 / 青色光 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、可視光線の細胞死誘導メカニズムの解明を試みた。 2013年度では、光量子束密度150 μmol m-2 s-1の青色光がB16F1メラノーマの細胞死を顕著に誘導することを報告した。しかし、光量子束密度を統一した実験系では、照射した波長によってエネルギーが異なるという欠点がある。そこで2014年度からエネルギー量を統一した実験系を確立し、以下の成果を得ている。 青色光を10 W m-2の強度でB16F1メラノーマに照射し各種分析を進めたところ、昨年度と同様に細胞死、ミトコンドリア膜電位の脱分極の誘導が確認された。さらに、ミトコンドリアに得意的に存在するカルジオリピンの酸化誘導、カスパーゼ-3の活性化が誘導されることが明らかとなった。カルジオリピンの酸化によってミトコンドリアからシトクロムcが放出されることが知られている。以上の結果から、青色光がミトコンドリア依存性アポトーシスを誘導していることが明らかとなった。 さらに、青色光がメラニン生成カスケードに与える影響も明らかにした。その結果、メラニン生成の誘導に関与するMicrophthalmia-associated transcription factorの遺伝子転写が誘導されることが確認された。これは青色光がメラニン生成誘導効果を有することを示唆する結果であり、今後はさらなる研究を進める計画である。
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