2014 Fiscal Year Annual Research Report
自発運動と食環境が脂質代謝異常および動脈硬化病変に与える影響に関する研究
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25750035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 奈穂 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90510529)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / エネルギー代謝 / 耐糖能 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で行った培養細胞によるスクリーニングにより、「食品成分A」が脂質低下作用・炎症抑制作用を発揮することが示されたが、長時間培養で著しいアポトーシスを誘導したことから、その成分の処理方法や添加濃度に課題を残していた。そこで、今年度は培養細胞系での評価を進めるとともに、「食品成分A」が実験動物のエネルギー代謝・糖代謝・脂質代謝に与える影響を評価した。まず、単回投与の影響について検討したが、炭水化物消費・脂肪消費いずれも差はなく、投与後の脂質パラメータ、血糖値にも対照群と実験群に有意差は認められなかった。このことから、「食品成分A」は一時的な摂取で効果を発揮するものではなく、ある程度の摂取期間を要することが明らかとなった。次に、食餌に添加して摂取させたところ、「食品成分A」は短期飼育・長期飼育いずれにおいても炭水化物消費の亢進、血糖値の低下が認められ、糖代謝改善作用を有する可能性が示された。しかしながら、経口グルコース負荷試験による耐糖能評価では群間に差はなかった。従来、耐糖能評価試験として用いられる経口グルコース負荷試験は経時的な尾採血を必要とし、この尾採血がストレスを与え、正確な評価を妨げている可能性がある。そこで、安定同位体13C-グルコース経口投与条件下でのエネルギー代謝測定を行った。この方法では、呼気中に排出される13CO2を検出するため、尾採血を必要とせず、実験動物にストレスを与えないだけでなく、摂取したグルコースの消費についてより明確な測定が可能である。その結果、実験群は対照群と比較して13C/12C比のピークが早く現れ、グルコース処理能力が亢進している可能性が示唆された。また、「食品成分A」は血中、肝臓の脂質パラメータを低下させ、筋肉・脂肪組織の炎症マーカーを低下させた。今後、さらなる飼育試験を行い、より詳細なデータを集めていく予定である。
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[Journal Article] Differential effects of triacylglycerol positional isomers containing n-3 series highly unsaturated fatty acids on lipid metabolism in C57BL/6J mice2015
Author(s)
K. Yoshinaga, K. Sasaki, H. Watanabe, K. Nagao, N. Inoue, B. Shirouchi, T. Yanagita, T. Nagai, H. Mizobe, K. Kojima, F. Beppu, N. Gotoh
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Journal Title
Journal of Nutritional Biochemistry
Volume: 26
Pages: 57-63
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Epigallocatechin gallate decreases the micellar solubility of cholesterol via specific interaction with phosphatidylcholine.2014
Author(s)
Kobayashi M, Nishizawa M, Inoue N, Hosoya T, Yoshida M, Ukawa Y, Sagesaka YM, Doi T, Nakayama T, Kumazawa S, Ikeda I.
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Journal Title
Journal of Agricultural and Food Chemistry
Volume: 62
Pages: 2881-2890
DOI
Peer Reviewed
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