2013 Fiscal Year Research-status Report
苦味感受性を応用した野菜摂取向上のためのオーダーメード栄養教育への展開
Project/Area Number |
25750049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
井上 広子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (60438190)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 食生活 / 食嗜好 / 栄養教育 / 苦味感受性 |
Research Abstract |
研究代表者の井上は、H21-H24若手研究 (B) において、青年期の食生活改善には、野菜摂取に重点を置いた栄養教育の必要性と、その教育には長期的な栄養教育だけでは顕著な行動変容には限界があり、積極的な野菜摂取向上のための介入の必要性を明らかにした。 そこで本研究プロジェクトでは、青年期の野菜摂取向上を目的とし、苦味感受性が野菜摂取量の評価の基準となるか検討を行い、継続的な野菜介入試験を実施する。さらに継続的な野菜摂取が便の性状や生体内にどのような変化をもたらすかについて検討を行う。 [H25年度実施内容] 静岡県立大学研究倫理委員会の承認後、同意を得た69名を対象者とした。身体計測、食物摂取状況調査、食習慣・食嗜好アンケート、PROP (6-n-propylthiouracil)、NaClに対する官能評価試験を実施した。その後、TAS2R38遺伝子多型 (PP, PA, AA) 別に各調査項目との関連について解析を行った。さらに野菜の苦味感受性に対する官能評価試験を行い、評価値を2群に分類し、調査項目との関連について解析を行った。 その結果、食物摂取状況調査結果では、PP, PA群に比較し、AA群において、肉類と果実類の摂取量が有意に多かったものの、アブラナ科野菜や緑黄色野菜摂取量には、遺伝子型間に有意差は認められなかった。また、野菜の苦味を強く感じやすい群は、「菓子類をあまり摂取しない」「牛乳・乳製品を意欲的に摂取する」と回答した者が有意に多く、また「普段の食事の味付けが薄味である」「調理済み食品の利用頻度が少ない」と回答した者も多い傾向にあることが明らかになった。 H26年度は、本研究結果を踏まえて継続的な野菜介入試験を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度科学研究費交付申請書の研究実施計画に記載した内容について、ほぼすべて遂行することができた。特に本研究プログラムの中で、重要な研究に位置づけられる苦味・塩味感受性試験に対し、すべての対象者において同一条件下で実施できたことは大きい。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、研究倫理委員会の承認後、野菜の介入試験を行う。介入試験は、対象者を無作為に2群(対照群・介入群)に分け、実施する予定である。 介入前と介入後に身体計測、血液生化学検査、便の状態等を調査し、野菜の介入試験の効果・検証を詳細に行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は、物品としてMilli-Q 水・超純水製造装置を研究代表者の研究室内に設置する予定で購入を考えていたが、研究室内に設置するのが部屋の構造上困難であることが判明したため購入を断念した。超純水製造装置の購入を見送ったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額については、H26年度に介入試験を実施するため、対象者のアセスメントで必要となる機器や実験道具の購入に充てることを検討している。
|
Research Products
(4 results)