2014 Fiscal Year Research-status Report
カルシウム吸収を促進する精油の探索-腸管上皮培養細胞を用いた解析
Project/Area Number |
25750064
|
Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
小林 優子 千里金蘭大学, 生活科学部, 助教 (10393208)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | カルシウム吸収 / 腸管上皮細胞 / Caco-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の日本人において、カルシウム摂取の慢性的な不足が問題となっている。本研究では、カルシウム吸収の第一段階をになう腸管上皮細胞を用いて、カルシウム吸収促進効果を簡便に検出するスクリーニング系を構築すること、そしてこの系を利用して、腸管に作用してカルシウムの吸収効率を高める機能性成分を見出すことを目標としている。 平成26年度は、平成25年度(年度途中で研究中断)に引き続き、細胞内カルシウム濃度変化を指標とした、経細胞輸送経路活性化因子スクリーニングの条件設定を行った。なお、平成27年3月より研究を再開したため、平成26年度の研究期間は1ヶ月である。 腸管上皮培養細胞であるヒト結腸癌由来細胞株Caco-2は、長期間培養を続けると自発的に小腸上皮様に分化することが知られている。実験再開にあたり、Caco-2の培養を開始した。当初、Caco-2がなかなか増殖しないトラブルがあったが、培地の血清濃度を変えることにより、従来の増殖能力を取り戻した。コラーゲンコートした24ウェルプレートにCaco-2を播種し、コンフルエントに到達してから14日間~20日間培養して分化させた。カルシウム吸収を促進する成分としてすでに知られている活性型ビタミンD(カルシトリオール)を培地に添加して24~48時間培養した後、細胞を回収した。今後、これらの細胞サンプルについて、ウェスタンブロッティング法を用いて、分化マーカーおよびカルシウム輸送に関するタンパク質を検出し、スクリーニングアッセイを行うための最適な培養日数を決定する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画(変更後)に照らし合わせると、おおむね予定通りに進行しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成25年度当初に予定されていた研究実施計画のうち、研究中断により実施できなかった部分の実験を推進する。具体的には、腸管上皮培養細胞(Caco-2)の細胞内カルシウム濃度変化を検出するための蛍光測定実験を行い、実験条件を整える。条件設定が終わり次第、機能性成分の候補として、精油サンプルを用いたスクリーニング実験を開始する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、初年度(平成25年度)途中で研究中断し、研究再開後の平成26年度の研究期間が1ヶ月間であったため、当初の予定よりも研究費の使用が少なかったためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額が十分にあるため、平成27年度の直接経費交付額は0としている。 平成27年度は、平成25年度に予定していながら着手できなかった実験を進める予定である。次年度使用額は、この実験に必要な蛍光試薬や細胞培養用試薬、プラスチック器具などの購入に利用する。
|