2013 Fiscal Year Research-status Report
eポートフォリオ学習過程における学習傾向に適応した学習支援手法の研究
Project/Area Number |
25750086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
久保田 真一郎 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80381143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | eポートフォリオ / 自己調整学習 / 学習者傾向 / 学習支援 |
Research Abstract |
平成25年度はeポートフォリオ学習に必要な自己調整学習アンケート項目の精選およびアンケートの実施,学習者傾向の分析手法の検討を計画していた.アンケート項目の精選については,eポートフォリオに関する国際学会に参加した際にeポートフォリオに関するリテラシをまとめたルーブリックについての研究発表があり,本研究のアンケート項目作成について拡張が必要であると判断し,アンケート項目の精選に平成26年度前半までを利用する予定である.並行して,学習者傾向を分析する手法を検討するために,過去年度に記録されていた約1000名の受講者の学習データを利用し,因子分析を行い,4つの共通要因を抽出,重回帰分析による各要因が与える効果の考察と各要因をもとに行うクラスタ分析により学習者分類を行った.本来は,作成したアンケートを利用し,アンケート結果をもとに学習者を学習者傾向毎に分類する予定であったが,アンケート項目再検討のため分析手法の検討を先に進めた.学習者傾向の分析については,その分析手法を研究会で発表し,他の研究者に広く意見を求め,着実に成果をまとめ進めている.また,過去年度より行っていたeポートフォリオ学習に関する実践について国際学会で発表し,eポートフォリオ学習と自己調整学習スキルとの連携性や関係性について他の研究者の意見を広く収集できた.意見を適切に取り入れ,その成果はアンケート項目と学習者傾向の分析のそれぞれの精度をより高めることができると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はeポートフォリオ学習に必要な自己調整学習アンケート項目の精選およびアンケートの実施,学習者傾向の分析手法の検討が目的であったが,アンケート項目の精選について,情報収集段階で得られたeポートフォリオ学習のリテラシに関するルーブリックの研究をもとにアンケート項目について再検討を行う必要があるとの判断からアンケート項目の精選は現在も進行している.一方で,学習者傾向の分析手法については次年度以降も同様に行うことのできる形式で分析する環境が整い,アンケート結果を利用していつでも分析できる状態にある.アンケート項目の精選が年度内に完了しなかったが,eポートフォリオ学習のリテラシに関するルーブリックの研究をもとに再検討を行う事は本研究の成果をより広く利用してもらうために必要な再検討である.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の精度をあげるためアンケート項目の精選を再検討するが,並行で進める事のできる計画は並行して進め,実践規模の縮小や既存システムの有効利用により当初計画となるよう加速して進める.平成26年度前半に(1)急ぎアンケート項目の精選を一旦終え,(2)アンケートの実施および(3)学習者傾向の分析を行う.平成26年度後半に(4)アンケート項目の見直しと(5)学習者傾向をもとにした学習支援方略の検討を並行して行い,(6)検討した学習支援方略をもとに小規模な実践を行い,効果を測定する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究を進めるうえで研究の精度を向上する情報を入手し,そのための再検討を行った結果,当初計画していたアンケート準備と実施およびその整理のための人件費を使用する必要がなかったため,次年度へ繰り越しとなった. 平成26年度の早い段階で研究に必要なアンケート調査を実施するため,アンケートの準備および情報整理に学生等による補助を予定しており,また学習支援システム開発のための補助および開発環境など人件費と物品費として使用する予定である.また,海外の先進事例について収集するための調査訪問および成果報告のための海外旅費を使用する.研究を進める過程での成果物をまとめるために,国内研究会において発表し,国内研究者との意見交換のために国内旅費を使用する.
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