2013 Fiscal Year Research-status Report
量的指標に基づいた身体活動と脳容量の関係に基づいた認知症予防法の検討
Project/Area Number |
25750250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
堤本 広大 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 自立支援システム開発室, 特任研究員 (70633189)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 身体活動 |
Research Abstract |
軽度認知障害を有する高齢者(MCI高齢者)の脳容量維持・向上と客観的身体活動指標が関連していることを横断的観察研究と長期的観察研究にて検証する。平成25年度において、認知機能が正常な高齢者20名において、未だ明らかとされていない客観的な身体活動指標と定量化された脳容量に関連があることを検証し、身体活動がより特異的に関連している脳組織・脳部位の検証を実施した。横断調査の対象となるMCI高齢者の参加募集を行い、MCIの基準はPetersonの基準に準じ、1. 日常生活が自立、2. 全体的な認知機能が低下していないこと (Mini-Mental State Examination ≧ 24)、3. 認知症と診断されていないこと、4. 各領域における認知機能が軽度低下していること (標準値より1.5SD以上の低下が認められる) の各基準を満たしていることとした。対象者は、所属研究機関にて実施したMCI有病率を検証するための大規模健診を受診予定である5257名よりMCI高齢者を選定した。MCI有病率は16.8%であり、、MCI基準に該当する者が883人選定された。この選定された対象者に対して、ダイレクトメールによる応募で120名を抽出した。このMCI高齢者をランダムに20名と100名に分類し、20名には横断調査への協力、100名に対しては1年間の追跡調査への協力を要請するための説明・同意を実施した。同様に、大規模健診を受診した者の中から、MCIの基準に該当しない健常高齢者の20名を抽出し、比較検討のための横断研究への協力について説明・同意を行った。選出方法としては。高齢者の中からMCI高齢者に対して人口統計学的データをマッチングさせた上で無作為に募集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
身体活動調査、および脳容量測定のための認知機能が正常な高齢者のリクルートは成功し、横断調査は実施済みである。現在特定の脳部位と身体活動との関連が認められるのかどうかを脳画像データと身体活動データより解析段階である。また、軽度認知障害を有する高齢者(MCI高齢者)に関しても154名の同意が得られ、観察実験を開始している。数名の途中参加拒否、身体不調により脱落が発生しているが、100名以上が継続して毎日の身体活動データ計測に参加している。脳画像データの処理に時間がかかるため、身体活動とより関連が認められる脳部位の特定には至っていないが、横断調査によって脳容量と身体活動の間には有意な正の相関が認められている。このことより、MCI高齢者に対する通年観察研究を通して、1年間の観察研究を通して算出される総身体活動量と脳容量との関係性についても有用な結果が得られることが期待される。この1年間を通した観察研究から得られる知見によって、今までにない医学的エビデンスの高い資料、およびMCI高齢者が脳容量を維持するために必要な身体活動量のカットポイントを示すことできると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
軽度認知障害を有した高齢者に対して1年間の追跡調査を行い、通年の身体活動と脳容量の変化について評価・解析を行う。MCI高齢者100名(同意者は154名)に対して身体活動量計を配布し、1年間のデータ計測を行う。磁気共鳴画像を利用し、T1強調画像を用いて灰白質量を定量化し、FRAIR画像を用いて白質容量を定量化する。活動量計本体に関して、データの紛失を防ぐために、2か月おきに電池交換・データ回収を実施する。1年間を通じての客観的身体活動指標を運動強度別に量・強度・時間・頻度を算出し、ベースラインと1年後の脳容量の変化量との相関関係を確認する。また脳容量の部位別変化率を従属変数、身体活動指標を独立変数とし、ベースラインにおいて脳容量と有意な関係が認められた項目を調整因子とした重回帰分析を行う。脳画像指標の統計解析については、SPM8を用いて解析を行う。また、月ごと・日ごとにおける身体活動の変動係数を求め、脳容量の変化との関係性を重回帰分析を用い同様に検討を行う。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] The combined status of physical performance and depressive symptoms is strongly associated with a history of falling in community-dwelling elderly: Cross-sectional findings from the Obu Study of Health Promotion for the Elderly (OSHPE).2014
Author(s)
Makizako H, Shimada H, Doi T, Yoshida D, Tsutsumimoto K, Uemura K, Anan Y, Park H, Lee S, Ito T, Suzuki T.
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Journal Title
Archives of Gerontology and Geriatrics
Volume: 58
Pages: 327-331
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Using two different algorithms to determine the prevalence of sarcopenia.2014
Author(s)
Yoshida D, Suzuki T, Shimada H, Park H, Makizako H, Doi T, Anan Y, Tsutsumimoto K, Uemura K, Ito T, Lee S.
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Journal Title
Geriatrics & Gerontology International
Volume: 14
Pages: 46-51
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Self-reported Exhaustion among Older Adults with Mild Cognitive Impairment; Physical Function, Physical Activity Life Space.2013
Author(s)
1) Tsutsumimoto K, Doi T, Shimada H, Makizako H, Yoshida D, Anan Y, Uemura K, Lee S, Park H, Suzuki T.
Organizer
The 20th IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
20130623-20130627
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[Presentation] National study of performance-based assessments and personal care in Japanese older people2013
Author(s)
3) Suzuki T, Shimada H, Suzukawa M, Makizako H, Tsutsumimoto K, Anan Y, Doi T, Yoshida D, Uemura K, Ito T, Lee S, Park H
Organizer
The 20th IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
20130623-20130627
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[Presentation] グループ単位の運動介入実施により軽度認知障害を有する高齢者のQOLは向上するのか? ─ランダム化比較試験による検討─2013
Author(s)
堤本広大, 土井剛彦, 島田裕之, 牧迫飛雄馬, 吉田大輔, 上村一貴, 阿南祐也, 伊藤忠, 李相侖, 朴眩泰, 鈴木隆雄
Organizer
第48回日本理学療法学術大会
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
20130524-20130526