2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of novel training-monitoring index using salivary cortisol
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25750341
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
大岩 奈青 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (50443247)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 唾液コルチゾール / training monitoring / total fatigue score |
Outline of Annual Research Achievements |
コンディションの評価にはストレス反応の指標として、安静時の唾液コルチゾール値の変動が用いられている。しかし、安静唾液コルチゾール値を用いる評価は、学術分野では確立されている一方、実際の競技現場ではなかなか導入されないという現状もある。その要因として、測定法や測定時間で安静値の評価が異なること、さらに個人差が大きいことがあげられる。そこで本研究では、唾液コルチゾールに関する上述した課題を精査し、測定評価方法を確立するため、1)短期トレーニング前後における唾液コルチゾールの変化、2)長期トレーニング期におけるトレーニング負荷に応じた唾液コルチゾールの変化、について実験を行った。 本研究の最終年度では、これら二つの実験の解析を終了し、論文投稿のための結果のまとめや、海外研究者とのディスカッションを行った。実験1については、大学男子柔道選手22名を対象に短期合宿中の唾液コルチゾールの変化について検討した。合宿前後で、起床時安静心拍や、筋損傷の指標である血清クレアチンキナーゼ(CK)濃度、練習時の主観的疲労度についても有意に増加しており、身体的・精神的にも高い疲労状態であったと考えられる。実験2については、15週間の長期トレーニング時の大学長距離選手(RR)とエリート長距離選手(ER)の唾液コルチゾール値と、そのトレーニング負荷との関係について検討した。トレーニング負荷の増加に応じて、起床直後、30分後の唾液コルチゾールはいずれも有意に増加し、両選手とも測定期間中全ての測定日で、30分後にピークを示した。ただし、トレーニング負荷の増加に伴う唾液コルチゾール値の変動については、ERでのみ有意な相関関係を示した。これらの実験により、1)唾液コルチゾールは測定時間を決めて用いれば有用なコンディション指標となりうる、2)トレーニング負荷が高い選手ほど、その有用性が期待できることが示唆された。
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