2013 Fiscal Year Research-status Report
英語学習者の多読に対する読書態度―態度因子の内部構造の記述とモデル構築の試み―
Project/Area Number |
25770223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
種村 俊介 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70435428)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 読書態度 / 多読 |
Research Abstract |
「様々な英語の図書の中から、学習者自身が自由に読みたいものを選んで沢山読む」という「多読」が日本の英語授業にも取り入れられ、広がりを見せている状況を踏まえ、本研究は、多読を行う日本人英語学習者がどのような読書態度を有し、いかなる要因が多読行動に影響を与えるのかを明らかにすることを目的に、平成25年度は、主に以下の1から5を行った。1.Ajzen(1991)の計画的行動理論の枠組みに基づき、L1の読書態度を検証したvan Schooten and de Glopper (2002)らの成果を参考に、読書態度を、多読に対する「認知的態度」、「感情的態度」、「主観的規範」、「行動統制感」、「意図」の5つの構成概念で捉え、多読に対する読書態度モデルの試案を作成した。2.それぞれの構成要素がいかなる内部構造を有するかを探るため、各構成要素の心理状態を測定するための質問紙を作成した。3.作成した質問紙の内容妥当性と表明妥当性の検証を研究協力者と共に実施した。4.初めて多読を経験する206名の高専生を対象に、研究代表者が担当する英語の授業内外で年間を通して多読を行い、10月と2月に質問紙調査と多読行動データの収集を行った。5.4.で得られたデータを、因子分析と構造方程式モデリングで統計処理し、各構成要素の内部構造の記述と多読行動と構成概念との関連の検証を行い、多読に対する読書態度モデルの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画されていた多読に対する読書態度モデルと質問紙の作成、質問紙の妥当性の検証、質問紙調査と多読行動データの収集、多読に対する読書態度モデルの構築がいずれも順調に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度とは別の高専生を被験者に、研究代表者が担当する英語の授業内外で平成25年度と同様に年間を通して多読を実施し、質問紙調査と多読行動データの収集を行う。平成25年度のデータに26年度のデータを加え、データ数を増やし、再度因子分析と構造方程式モデリングで統計処理し、各構成概念の内部構造の記述と多読行動と構成概念との関連の検証を行い、多読に対する読書態度のモデルの再構築を行う計画である。さらに、平成25年度の研究成果について学会発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた研究協力者との打ち合わせの1回分を学会の場を利用して行うことができたため、次年度使用額が生じた。 平成26年度の研究打ち合わせの費用に使用する計画である。
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