2014 Fiscal Year Annual Research Report
近世大名課役変質と都市下層社会形成・構造化の関係の解明
Project/Area Number |
25770240
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
藤本 仁文 京都府立大学, 文学部, 准教授 (90580580)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大名課役 / 都市下層社会 / 請負 / 入札 / 江戸 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本近世における大名軍役関係史料および請負・入札関係史料を収集して分析を行い、17世紀に広がった請負・入札が18世紀初頭に江戸幕府によって制度化がなされ、この結果、都市下層社会を構成する多数の低賃金労働者が政治・社会の仕組みのうえで必要不可欠になっていくことを明らかにした。またこの変化によって、多くの賃金労働者が労働市場を求めて移動するようになったため、江戸への人口流入が問題となり、一方で農村・地方では人口流出が止まらなくなっていくという構造的な問題を引き起こしていくことを明らかにした。 本研究では、これまで社会史的視角から分析されてきた日本近世都市下層社会を政治史的視角から分析し直した点に特徴があり、また個別分散化の影響を受けて権力構造と社会構造が別々に論じられることで盲点になっていた当該問題について論じた。さらに18世紀半ばにおける都市への人口流入に関して、江戸では人口流入が止まらず請負入札が拡大していくのに対し、京都では人口流入を食い止めようとする民衆運動が発生するという、江戸・京都両都市の違いについても明らかにした。 以上のような研究成果を、2014年10月12日日本史研究会大会にて報告し、日本近世における江戸の位置づけ、江戸・京都・大坂の違い、都市下層社会の実態、享保改革・寛政改革の歴史的位置づけ、請負・入札の実態等、について大会参加者と質疑応答を行った。当日の報告・質疑応答は『日本史研究』(日本史研究会発行、2015年3月)に掲載された。
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Research Products
(2 results)