2014 Fiscal Year Research-status Report
ベルギー多言語地域の文化・社会活動にみられる「複属」の検討
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25780308
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
山口 博史 都留文科大学, その他部局等, 准教授 (70572270)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エスニック・マイノリティ / ネットワーク / ベルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度はベルギー・ブリュッセル周辺地域におけるフィールドワーク、およびそれに付随する資料収集に従事した。また、研究手法に関する研究会を開き、手法に関してすでに実績を持つ研究者たちとの議論を通じて知見をいっそう深めた。 今年度の調査では、ブリュッセル周辺地域に居住するフランス語話者の自主活動に関する聞き取りを中心に行なった。昨年と比べてより広い範囲に調査を行なうことができた。とくにこれまで聞き取りを行なっていた人々より若い世代の活動状況とそのバックグラウンドに関するデータを得たのは大きな収穫だった。またすでにラポールをある程度確立していたインフォーマントには、さらに深く話を聞いて新たな語りを得るなどの進捗があった。本プロジェクトで行なう調査にはセンシティブな問題に関する聞き取りが含まれるだけに、ラポール形成は非常に重要で、会う回数が増えるごとにいっそう深い語りが得られる。 さらにオランダ語側により近い活動者にも接触し、そうした人々とフランス語話者たちとの関係やその活動のバックグラウンドに関する貴重なデータを得た。昨年度から続けている聞き取り、また資料の読み込みによって研究上重要なアイデアの着想を得た。 そうした着想やこれまで得たデータに関して、現地の研究者と積極的に情報交換を行なった。先方からは当方のこれまで得たデータや着想に関して重要なコメントを得た。今後、研究成果を発表していくさいには、現地の研究者と情報交換を行ないながら進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年度前半に研究やフィールドワークに取り組むことが極度に困難な時期があったこと、また2014年10月に所属機関を移ったため、異動直前の時期に現地フィールドワークを実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度に引き続き、調査対象者へのインタビューをさらに推進し、関係する資料の収集につとめていきたい。また成果報告を論文誌等で積極的に行ないつつ、学会や公開の研究会で情報交換の機会を確保していきたい。また研究手法についても、実績ある研究者との情報交換の場を積極的に確保していきたい。
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Causes of Carryover |
2014年度9月に現地調査を予定していたが、10月の勤務先変更のため現地調査中止を余儀なくされたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、フィールドワークと成果報告を進めていく過程で科学研究費を有効に活用していく予定である。
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Research Products
(4 results)