2014 Fiscal Year Research-status Report
支援困難事例へのソーシャルワーク相談技法の効果的な教育プログラムの開発
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25780337
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長沼 葉月 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (90423821)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 面接技法 / 研修 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目的は、『『支援困難事例への相談面接技法』についての研修方法の開発』である。本年度は、昨年度までの研究成果を踏まえて、支援困難事例に対する面接技法やケースカンファレンスの方法論に関する研修プログラムを試行的に実施することができた。 まず面接技法に関しては、本研究の基礎に位置付けた三つの援助理論を統合し、支援困難という状況がどのように生じるのかについて円環的因果論を活用した概念モデルを提示した。そして基本的な対話の技法により、新しい可能性を引き出していくことについて、体験を交えて学ぶ研修プログラムとした。これらの対話の技法や枠組みに諸理論の視点や技法を組み込んだ形で提示した。研修出席者による実践上の有用度評価(10点満点)では毎回平均で7点以上と高い評価が持続した。特に評価が高かったのが面接技法の土台である「関わり行動」のうち、呼吸のペースや声の出し方、姿勢をあわせていくことであり、次いで「感情の反映」や「要約」の技法であった。これらの技法を体験とディスカッションを通じて学ぶことで実践応用に生かしてもらっていた。特に可能な限り複数回の連続研修プログラムとし、初回にこれらの技法を提示し、2回目以降に実践報告を交えていただくことで、実践効果を参加者全員で共有することができ、困難感の軽減に役立つ可能性が示唆された。試行的に1か月後追跡調査を行った研修会では、参加者の支援困難感が研修直後に軽減しただけではなく、1か月後にも比較的低い水準が保たれており、こうした研修が支援困難感の軽減に一定の成果を持つものであることが示唆された。 ケースカンファレンスに関しても同様の研修を企画したが、研修状況によってカンファレンス理論の提示の仕方に違いが生じることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに研修プログラムを開発し、一定の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、研修プログラム参加者への追跡調査を行い、成果の持続性に関する検討を行う。加えて、これまでの研究評価を成果として取りまとめる予定である。
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