2016 Fiscal Year Annual Research Report
Studies of the Institution and Practices of Muiticultural Co-living
Project/Area Number |
25780356
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
竹中 理香 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (70410610)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 在日コリアン / 移民 / 移住労働者 / 多文化共生 / 外国人政策 / マイノリティ / 福祉NPO |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年の外国人に対する新たな政策展開を視野に入れながら、移民労働者などのニューカマーと在日コリアンなどのオールドカマーの外国人が抱える生活問題の特徴や類似性を明確にした上で、制度面と実践面の両面を含んだ包括的な観点から、地域社会における「多文化共生」のあり方やその実現のための方策を提示することを目的としている。 平成28年度は、在日コリアン高齢者への福祉サービスを提供している福祉NPOおよび移民労働者等を支援するNPOへのヒアリング調査を通じて、外国人の生活問題や課題について整理した。特に、在日コリアン高齢者と移民労働者の生活問題や支援の課題の異同を明らかにした。また、在日コリアン高齢者を支援する福祉NPOの活動が移民労働者などニューカマーの外国人の支援活動と結合・連帯しながら新たに展開していくプロセスについても明らかにした。 同時に、平成24年施行の出入国管理及び難民認定法・入管特例法・住民基本台帳法(以下改定法)において外国人を各カテゴリーに分類し管理していくという制度の方向性と、在日コリアンと移民労働者の支援活動の結合というNPO活動実践の方向性とに齟齬が生じている現状についても明らかにした。 本研究を通して、在日コリアン高齢者への福祉サービス提供という実践の蓄積が、近年増加している移民労働者等を中心とするニューカマーの外国人への支援活動に活用・応用されている実態が明らかになった。つまり在日コリアン高齢者への福祉サービス提供実践は、在日コリアンの生活問題の解決にとどまらず、新たな外国人の生活問題解決の際の価値・方法論を提供できることを明らかにした。この点が本研究において最も重要な意義であると考える。
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