2015 Fiscal Year Research-status Report
ひきこもり状態に対する認知行動療法プログラムの開発と普及
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25780416
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
境 泉洋 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究, 准教授 (90399220)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臨床心理学 / 認知行動療法 / ひきこもり / CRAFTプログラム / 行動活性化 / 実施者養成 / オンライントレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
CRAFTプログラムの実施者養成に関して,2015年9月にウェブを利用した実施者養成システム「TxIntegrity」の導入について検討した。ウェブを利用した実施者養成システム「TxIntegrity」の導入については,システム開発者のRoozen氏を招聘し,講演会を実施するとともに,TxIntegrityを本邦に導入するための具体的な検討を行った。 行動活性化プログラムの実施者養成の効果検証として,2015年7月~10月の間に高知県の若者自立支援者を対象に3回の研修を行った。参加者は141名,延べ309名であった。研修ではまずひきこもり支援に造詣の深い臨床心理士1名が講義をし,その後参加者同士でロールプレイを行った。研修の内容は渡部(2014)が作成したマニュアルに沿ってなされた。各回の前後にその回の技法と支援への全体的な効力感について5件法で尋ねた。項目は渡部(2014),大谷(2013)を参考に臨床心理学を専攻する大学院生2名が作成した。 各回の技法についてそれぞれ反復測定一元配置分散分析を行ったところ,カウンセリング技法(F(1, 92) = 56.31, p < .001),行動活性化技法(F(1, 93) = 88.63, p < .001),ソーシャルスキルトレーニング技法(F(1, 82) = 194.90, p < .001)において研修実施前に比べ実施後の得点が有意に上昇していた。支援への全体的な効力感についても有意な差がみられた(F(5, 49) = 24.39, p < .001)。しかし,多重比較の結果,それぞれ研修実施前の得点は実施後に有意に上昇したが,研修実施後と次回の研修実施前では有意な得点の下降がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実施者養成について検証を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
実施者養成の効果検証については、症例数を増やして検討を進めるとともに、オンラインを利用した実施者養成システムの構築可能性について検討を行う。 本年度が最終年度となるため、これまでの成果を論文等にまとめて公表する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた謝金を使用しなかったため、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの成果公開のために参加する2つの国際学会の旅費として使用する予定である。
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