2015 Fiscal Year Annual Research Report
小学校における認知行動的ストレスマネジメントの効果
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25780418
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高橋 高人 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (10550808)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ストレスマネジメント / 小学生 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,小学校における児童のストレスマネジメントとして,認知行動的な技法による集団プログラムを行い,その効果を検討することとその長期的な維持・予防効果も検討することを目的としている。平成25年度計画は,研究1として学校現場における認知行動的な技法を用いたストレスマネシジメントを行い,有効性を確認している。 平成26年度は,当初の計画に基づき,研究2として研究1においてストレスマネジメント・プログラムを受けた6年生児童のフォローアップ測定を行い,中学校入学後の維持効果を検討した。その結果,ストレス反応に関して,低減の効果が維持されている下位尺度とプログラム実施前の状態まで戻ってしまっている下位尺度があった。平成27年度は,研究2として実施した介入データをさらに増やすことに取り組んだ。その結果,概ね前年度を同様の結果が得られた。さまざまな環境の変化やストレスが高まることが予想される小学校6年生から中学校1年生への移行期に認知行動的な技法を活用して児童のメンタルヘルスの向上を図ることの意義は大きいと考えられる。 ここまでの成果は,髙橋・石川・井上・佐藤(2015)や田中・髙橋・佐藤(2016)として公表した。いずれストレス反応の軽減を確認している。しかし一方で,これらのユニバーサルレベルの予防プログラムの課題も見えてきた。それは,もともとストレス反応や抑うつの高い児童には効果が大きい一方で,もともとストレス反応や抑うつが低い児童への効果は小さいという点である。この理由として,これまで学校現場における予防的プログラムが,児童の不安障害やうつ病などの治療に用いる技法や効果指標をそのまま適用してきたことがあげられる。今後,従来までの障害レベルの治療技法と効果指標をそのまま活用してきた予防プログラムをユニバーサルレベルの予防的プログラムに適した内容に洗練させることが課題となる。
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Research Products
(7 results)