2013 Fiscal Year Research-status Report
電極集積化マイクロ流体デバイスとDNA増幅による細菌の迅速・高感度・現場分析
Project/Area Number |
25790037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
佐々木 直樹 東洋大学, 理工学部, 講師 (30462691)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロデバイス / マイクロ電極 / DNA増幅 |
Research Abstract |
本研究は微細加工技術により作製したマイクロ流体デバイスをプラットフォームとし、電気化学的手法とDNA増幅法を組み合わせ、細菌を迅速・高感度・現場分析する手法の開発を目的としている。本年度はまず、流路内に電極を集積化したマイクロ流体デバイスの作製について検討した。ガラス基板にマイクロ電極を、ポリジメチルシロキサン基板にマイクロ流路パターンを作製し、これらを直接貼り合わせてデバイスとした。流路に溶液を導入したところ、漏れなどは見られず、デバイスを設計通りに作製できた。電気化学的手法については、ミクロ交流電場を利用する流体駆動・試料濃縮に関する基礎検討を行った。DNA増幅については、Rolling Circle Amplification(RCA)法によるDNA増幅・検出の基礎検討に取り組んだ。まず、N-ヒドロキシスクシンイミド修飾アガロースマイクロビーズにアミノ基修飾プライマーDNAを固定した。修飾後のビーズに、padlock probeと呼ばれるオリゴDNA、及びT4リガーゼを加えて反応させ、padlock probeを環化させたのち、phi29ポリメラーゼを用いてRCA産物(プライマーDNAが伸長されてできた長鎖一本鎖DNA)を得た。その後、RCA産物に相補的な配列を有する蛍光標識オリゴDNAを加えてハイブリダイズさせたのち、蛍光顕微鏡でビーズを観察した。結果、RCA産物に由来する直径1マイクロメートル程度の蛍光輝点をビーズ上に多数観察でき、RCA法によるDNA増幅及び検出に成功した。DNA染色試薬であるSYBR Greenを用いたRCA産物の検出にも取り組んだが、ビーズへの非特異吸着が多く、検出は困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における各検討項目において、いずれもおおむね当初予定の通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、着実に研究を遂行していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は2年間で行う計画であり、次年度が最終年度となる。概ね計画通りに経費を執行したが、試薬等の支出が予定よりも少なかったため、次年度使用額が生じた。 実験に必要な試薬、機器等の購入に主に使用する。
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Research Products
(5 results)