2013 Fiscal Year Research-status Report
Dynamics of Topological Textures in Antiferromagnetic Nanostructures
Project/Area Number |
25800184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
TRETIAKOV Oleg 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50643425)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 反強磁性体 / 磁壁ダイナミクス / トポロジカルスピンテクスチャ / skyrmions |
Research Abstract |
反強磁性ナノ構造、反強磁性体薄膜および反強磁性体ストライプ構造における、ドメインウォールや磁気渦、スカーミオンなどのトポロジカルスピンテクスチャーの運動の問題は我々の論文Physical Review Letters 110, 127208 (2013)にて理論的定式化が行われた。この論文で構築された理論に基づき我々は反強磁性におけるトポロジカル欠陥である渦、反渦、スカーミオン、複合ドメインウォールの運動を解析し、それらの自由度に関係するスピン緩和時間を計算する表式を導出した。トポロジカルなテクスチャを持つ場合に拡張されLandau-Lifshitz-Gilbert方程式を交替磁場とスピン磁気モーメントに適用し、欠陥のダイナミクスを調べた。一般的な電流が流れている状況でLandau-Lifshitz-Gilbert方程式を解いた。また反強磁性体に対するLandau-Lifshitz-Gilbert方程式の適用限界を明らかにした。 スピンゼーベック効果は強磁性体に温度勾配を与えたときにスピン流が発生する現象である。我々は反強磁性体においてスピン流が温度勾配に依って発生する現象、すなわち反強磁性スピンゼーベック効果の可能性を理論的に解析した。まず温度勾配を与えた反強磁性体の励起ダイナミクスの可能性を考察した。シンプルな出発点として反強磁性/通常金属構造におけるスピンゼーベック効果を考慮し、その帰結である熱電輸送現象を研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反強磁性体における交替磁場と磁化ダイナミクスに対する一般的な方程式を導出した。これらの方程式によって、反強磁性体ナノ構造における渦、スカーミオン、スカーミオン格子、ドメインウォールの電流駆動あるいは磁場誘起運動を解析できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
反強磁性ナノ構造における特殊なトポロジカル欠陥に対する結合方程式を導出し、解析する。これらの解を用いてドメインウォール、渦、スカーミオン構造といったトポロジカル欠陥のドリフト速度を決定する。 熱勾配の下でのLLG方程式を調べる。反強磁性体/通常金属構造におけるスピンゼーベック効果の可能性を考える。 ここで通常金属としてプラチナのように大きいスピンホール角を持つものを用いる事で、効率の良いスピン電流変換による電場観測か可能となる。これらの結果を実験分野の研究者に伝え、議論する。 反強磁性テクスチャーとそのダイナミクスにおけるスピン軌道相互作用の効果を調べる。Dzyaloshinskii-Moriya相互作用の下での反強磁性スピンテクスチャーを調べる。 温度勾配と電流および磁場が存在する場合の考察を行う。解析的に得られた結果とミクロ磁気シミュレーションの結果を比較する。
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Research Products
(11 results)