2014 Fiscal Year Annual Research Report
ホストゲスト化学を基盤としてO/W型エマルションを利用する遷移金属触媒の開発
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25810066
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
津田 進 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50581021)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シクロデキストリン / 遷移金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷移金属触媒による炭素-炭素結合形成反応では、高位置・高立体選択性や高効率化が要求される。したがって、生体システム様の分子認識に基づいた高性能の遷移金属触媒開発に対する期待が増しているが、国内外とも、分子認識に基づく遷移金属触媒開発は発展途上である。そこで、本研究では、分子認識を代表するホストゲスト化学を巧みに利用した高機能な遷移金属触媒をデザインし、有機合成化学的に価値のある反応開発を行うことを目的とした。まず、遷移金属触媒の配位子として、近年注目されているカルベン配位子を選択し、カルベン前駆体となるイミダゾリウム塩誘導体を合成した。このイミダゾリウム塩誘導体には様々な有機基質を取り込むためのホスト部位としてシクロデキストリンを導入した。これらの配位子前駆体を用いて水系反応を対象として反応検索した。これらのカルベン配位子群はロジウム触媒によるボロン酸のアルデヒドへの不斉1,2-付加反応に対して、きわめて優れたパフォーマンスを示し、対応するジアリールメタノールが高選択的・高収率(95%ee、99%)で得られた。特に、γ-シクロデキストリンを導入したカルベン配位子において優れた結果を得た。また、類似の1,4-付加反応でも良好な結果を得た。次に、シクロペンタジエニル部位を有するシクロデキストリン誘導体を合成し、Cp配位子群を合成した。この際合成の都合上メチル化されたシクロデキストリンを用いた。これにより得たCp配位子群をベンスアミドとアルケンの不斉環化反応へ応用したが、光学収率は不良であった。今後、適用できる反応を検索していく予定である。
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Research Products
(2 results)