2014 Fiscal Year Annual Research Report
人間の感覚帯域を完遂する高精細広帯域な力覚情報の保存と再現
Project/Area Number |
25820101
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
横倉 勇希 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70622364)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モーションコピーシステム / ハプティクス / モーションコントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
視聴覚情報に比べ触覚情報については十分に研究されていない一方で,人間は五感からの情報に基づいて複雑な作業を実施している。現代技術を駆使して構成されたロボットが,依然として人間の完全なる代替物とはなりえていない原因は,物体との接触を伴う触覚を使う作業を苦手とするところにある。そこで,研究代表者は触覚情報の保存と再現を実現するモーションコピーシステムを提案しており,保存・再現システムで構成され,前者は作業者の位置と力を記憶し,後者は保存データに従って位置のみならず力までも再現する。再現時の位置と力の双方を保存時と完全に合致させる本技術は世界的にも類なきものである。 モーションコピーシステムには未だ多くの課題があり,本研究課題では周波数帯域と正確性について解決を図る。人間の触覚の帯域は400Hzであるといわれており,触覚情報を漏れなく保存・再現するためには広帯域な力制御系が必須となり,電流制御の高速化が重要となる。また,正確性については,一般的に用いられているパルス幅変調(PWM)インバータはスイッチングノイズを生じるため,モータ推力に雑音が混入し力覚保存・再現が不明瞭となる。そこで本研究では,現在主流となっている電力効率のみを重視したPWMインバータではなく,まったく新しい設計概念に基づくダイオードクランプリニアアンプ(DCLA)を開発した。DCLAはPWMの三角波キャリア周波数に拘束されないため並列高速演算に最適であり,またスイッチングノイズが一切出力されないので低雑音であるとともに,従来のリニアアンプよりも電力効率が高い。従って,広帯域で且つ高効率・低雑音なモータ駆動が可能となり,繊細な触覚情報の保存と再現が実現できる。本研究では,DCLAの電流制御および力制御への有用性を理論面および実機実験により検証し,広帯域な電流制御と高精細な力制御が可能であることを確認した。
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