2015 Fiscal Year Annual Research Report
腐食劣化した高力ボルトの残存軸力評価法の確立を目的とする解析的検討
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25820211
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| Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
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Principal Investigator |
田井 政行 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (70646596)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 高力ボルト / 残存軸力 / 腐食 / 有限要素解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，鋼橋の腐食部位の中でも腐食劣化速度が著しく速く，腐食劣化状況によっては橋の安全性が損なわれる危険性の高い摩擦接合型高力ボルト継手部の高力ボルトを対象とし，腐食劣化した高力ボルトの残存軸力の評価を行うことを目的としている．検討に当たっては有限要素法解析を用いた．
本年度は，腐食高力ボルトの残存軸力評価法の検討及び提案を行った．過年度までに提案した解析モデルを用い，腐食減肉量及び腐食減肉形状が残存軸力に及ぼす影響を考慮できるようなパラメータの検討を行った．その結果，座金より10mm程度の範囲の腐食減肉量を用いることで，腐食減肉形状の影響を考慮して残存軸力を評価できることを解析的に示した．
また，実橋で見られるボルト頭部とナット部の両側で腐食減肉が生じる場合についても検討を行い，ボルト頭部とナット部の2乗平均減肉量を用いた評価法を提案し，腐食減肉による高力ボルトの残存軸力の低下を±10%程度の精度で評価できることを解析的に示した．
提案した手法の適用性を検証するために，実橋において腐食減肉が生じた高力ボルトの残存軸力計測結果を用いて比較検討を行った．その結果，提案した手法により，実腐食した高力ボルトの残存軸力を±15%程度の精度で推定可能であることが示された．本手法は，現場においてもノギス等を用いた簡易な計測のみで評価が行えるため，汎用性の高い実用的な残存軸力評価法であると考えられる．今後は，本研究成果を用いて，腐食減肉が生じた摩擦接合継手の耐荷力評価法の検討を行う予定である．
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