2013 Fiscal Year Research-status Report
風速急変場において形成される突風渦とオーバーシュート風力の関係の解明
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25820266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹内 崇 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80624395)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 立ち上がり時間の短い突風 / 風力のオーバーシュート現象 / 数値流体計算 / 非定常渦 |
Research Abstract |
立ち上がり時間の短い突風下の楕円柱物体周りの流れおよび切妻屋根物体周りの流れを数値流体計算によりシミュレートし,計算結果が既往の風洞実験結果と対応することを確認した上で,風力のオーバーシュート現象の原因となる突風渦の発生,成長および放出の過程を調べ,以下のことを明らかにした。 ・迎角45度の楕円柱物体では楕円柱の上面部において突風渦が発生し,成長することにより,横力のオーバーシュート現象を引き起こし,その後,渦が放出され後方に移動することにより,抗力のオーバーシュート現象を引き起こす。流入する突風の立ち上がり時間が短く,風速の変化量が小さいほど,突風渦が大きく成長し,より大きなオーバーシュート現象が生じる。オーバーシュート現象の大きさは,立ち上がり開始前後の風速値の比および,風速の立ち上がり時間,風速の変化量と物体のサイズから構成される無次元パラメータが関連する。 ・桁側から突風を受ける切妻屋根物体では風下屋根面および妻面において突風渦が生じ,それらの面上に分布荷重として作用する非定常風圧力のピーク値及びピークを迎える時間は,突風渦の移動に従って同じ面内においても変化する。風圧力のオーバーシュート現象は風下屋根面においては棟部付近で,妻面においては風上側端部付近で顕著に現れる。 ・突風下の切妻屋根物体に発生する突風渦は,突風の風向によってその発生場所が異なり,渦の大きさ並びにオーバーシュート現象の大きさも変化する。 これらの成果は,実際の構造物が突風を受けた際に生じるオーバーシュート風力の推定へと発展でき,今後の耐風設計や強風防災対策に関する研究に繋ぐことができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた研究が順調に進み,平成26年度に計画していた突風の風向角の影響に関する研究を先行して取りかかることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画通りに研究が進んでおり,今後の計画に大きな変更はない。平成26年度においては,物体の形状とその風向角を主なパラメータとして,数値流体計算による立ち上がり時間の短い突風下の物体周りの流れのシミュレートを行う。各モデルの突風渦と風力のオーバーシュート現象の関係性を整理し,それらを比較検討することで,対象物体の断面形状および風向角による突風渦の発生位置や成長メカニズムの変化を明らかにする。各モデルでのオーバーシュート風力と無次元パラメータの関係を整理する際には,既往の風洞実験結果と併せて整理することで,データの信頼性を高める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は突風のシミュレーションを重点的に行い,データの集積に努めたため,旅費等を予定より抑えることができたので,次年度の使用分とした。 平成25年度の研究成果の発表ならびに他研究機関との研究打合せを積極的に行うために,次年度使用額を平成26年度の助成金の旅費の拡大に充てる。
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Research Products
(2 results)