2014 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧化における尿素水噴霧のアンモニア生成過程の研究
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25820428
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
仁木 洋一 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10511587)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 尿素 / SCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、40%濃度の尿素水を225~300℃で加熱し、そのときの生成物の生成量変化を把握した。また、論文で公開されている中間生成物の反応経路及び反応速度を参考に、尿素水を加熱した場合の尿素の分解の数値計算を行った。 尿素水を200~300℃で加熱した場合の生成物の生成量変化の把握では、4gの40%濃度の尿素水を試験管へ入れ、225、250、275、300℃のソルトバスに浸漬して加熱を行った。加熱後、尿素水の入った試験管を急冷し、生成物の生成量を測定するための試料を作製した。このとき、浸漬時間を変更していくつかの試料を作製した。作製した資料を真空検体乾燥器を用いて乾燥させ、残留固形物の変化量を測定した。また、同様の方法で試料を作製し、液体クロマトグラフによる分析を依頼し、主な生成物である尿素、ビウレット、イソシアヌル酸、アンメリドの定量を行った。その結果、SCR脱硝装置における尿素水の分解過程として、一般的に仮定されているように、水の蒸発中は、尿素の分解やビウレットの生成は、ほとんどないこと。尿素の分解は主に250℃程度において進行していること。低温度での反応ほど、尿素からビウレットへ変化する割合が多いことが明らかになった。 尿素水の分解の数値計算では、論文で公開されている反応経路及び反応速度を参考に、各生成物の反応速度式を、連立させてルンゲクッタ法により生成量の変化を予測した。数値計算による予測と、上述の尿素水からの生成物の定量結果を比較した。数値計算結果では、尿素の分解量は、実験と同様の傾向を示している。しかし、ビウレットの生成は、生成する温度域や生成量に違いがある。尿素の熱分解は、中間生成物が互いに作用する反応が、多数ある。さらに、それらの反応は温度ごとに異なる。そのため、雰囲気温度や反応時間に合わせた反応速度式や分解モデルが必要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)