2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25820453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
酒瀬川 英雄 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究員 (00566250)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フィルター / 低融点合金 / 焼結金属 / 原子炉 / 自動ベント機能 / コールドトラップ効果 |
Research Abstract |
今年度は日本原子力研究開発機構にて研究開発された酸化物分散強化型低放射化フェライト鋼F82H(Oxide Dispersion Strengthened F82H steel:ODS-F82H鋼)を利用したフィルターを製作することを最終目標とした。とりわけ、ODS鋼中の空隙の「熱間等方加圧(温度と圧力)」、「冷間等方加圧(圧力)」、および、「焼結(温度)」条件の相関を調査、その情報を明らかとしてから、数値目標として見かけ密度4-5(g/cm3)程度の金属製多孔質フィルターを製作することを目指した。 調査過程において専門技術者とディスカッションを実施、その結果、当初予定していた熱間・冷間等方加圧法や焼結法を用いるのではなく、スパークプラズマ焼結法の選択が望ましいと判断した。なぜならば、この焼結方法の適用により、従来の方法よりもより短時間、より低温での焼結が可能となり、ODS-F82H鋼の強度強化組織因子であるイットリア系酸化物の凝集を妨げることなく焼結できる、つまり、ODS-F82H鋼の強度を損なうことなくがフィルターを製作できることが考えられたためである。 これより、当初の目標程度のかさ密度5.2~5.7(g/cm3)程度のフィルター(φ15 × 2t mm)を製作することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は日本原子力研究開発機構にて研究開発された酸化物分散強化型低放射化フェライト鋼F82H(Oxide Dispersion Strengthened F82H steel:ODS-F82H鋼)を利用したフィルターを製作することを最終目標とした。数値目標として見かけ密度4-5(g/cm3)程度の金属製多孔質フィルターを製作することを目指した。 金属製フィルターの製作に関わる専門技術者とディスカッションから、スパークプラズマ焼結法を選択した。この方法では、従来焼結法よりも短時間(30分)、より低温(950℃)での焼結が可能となり、ODS-F82H鋼の強度を損なうことなくがフィルターを製作できるためである。 この結果、当初の目標程度のかさ密度5.2~5.7(g/cm3)程度のフィルター(φ15 × 2t mm)を製作できた。このフィルターのかさ密度は40 %弱の空隙率を持つことを示す。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は前年度に製作した多孔質フィルターの空隙に含浸する低融点合金を調査・選択する。現在の計画ではハンダ用として商用化されているSn-Ag-Pb系低融点合金を利用する。これを前年度に製作した多孔質フィルターと一緒に電気炉(必要であれば雰囲気調整)にて熱処理し含浸する。またこの結果にもとづいて含浸により相応しい多孔質フィルターを製作する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フィルター製作において、技術的利点の多いスパークプラズマ焼結法を採用し、当初予定していた従来の熱間・冷間等方加圧、および、焼結法を採用しなかったため。スパークプラズマ焼結法は、従来法よりも、短時間・低温度で焼結できるため、技術的な長所に合わせて費用においてもより安価となった。 選択する低融点合金を追加する計画である。
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