2013 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌におけるEHFによるp53機能抑制の分子機構
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25830073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷上 賢瑞 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (90648627)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | p53 / MDM2 / FOSL1 / ユビキチン制御 / 転写制御 / EHF |
Research Abstract |
我々は、細胞のがん化に伴い遺伝子発現パターンに劇的な変化が生じる機構と意義を解析し、ヒト大腸癌細胞はETS ファミリーの一員であるEHF を高発現することにより、p53 依存性のアポトーシスを回避していることを見出した。本研究では、EHF が大腸癌で高発現する分子機構、及びEHF がp53 の機能を抑制する新規の分子機構を明らかにすることを目的とした。我々は、RNAi Screening によってFOSL1やASH2L の発現を抑制することによってEHF の発現が抑制されることを見出し、ChIP assayによってEHFが直接のターゲット遺伝子であることを見出した。また、FOS1LやASH2Lが大腸がん細胞に増殖に必須であることを明らかにした。さらにp53及びBcateninによってもEHFの発現が直接制御されていることが明らかとなり、大腸がん細胞においてp53-EHFによるフィードバックループが存在すること、及びp53 mutant typeである大腸がん細胞においてもWnt pathwayによるEHFの活性化が引き起こされて癌化が促進することが示唆された。また我々は、EHFがMDM2のタンパク質安定化を制御してp53依存性のアポトーシスを制御していることを明らかにしたが、現在までにMDM2の新規ユビキチン制御因子としてRAD18やUSP22などを同定した。さらに、MS解析によってEHF依存的にMDM2の安定化を制御する因子を探索中である。今後、新たに同定されたMDM2ユビキチン制御因子による新しい大腸がん生存メカニズムの解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、大きく2つのテーマに分かれる。1つ目は大腸がん細胞におけるEHFの発現制御機構の解明、2つ目はEHFによるMDM2の制御機構である。1つ目の発現制御機構に関しては既にEHFの転写制御因子を同定し、これらの転写制御因子がEHFのpromoter上に存在してEHF mRNAの転写に直接作用していること、及び大腸がん細胞の生存に寄与していることを明らかにしている。以上の結果より、1つ目の課題はほぼ完了している。また、2つ目の課題であるEHFによるMDM2の制御機構の解明についてであるが、既にRNAi screeningによって候補ユビキチン制御因子は同定されている。現在は、MS解析を用いてEHF依存的にMDM2の分解に関与するたんぱく質の同定を行い、さらに得られたユビキチン制御因子が大腸がんの増殖及び生存に影響を与えるのかを明らかにしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に書かれた通りに研究を推進する。『1. 大腸がんにおいてEHFが高発現している分子機構の解明』はほぼ完了しているため、本年度は特に『2. EHF によるMDM2 蛋白質のユビキチン化阻害を介したアポトーシス誘導の分子機構の解析』の解析を重点的に進め、転写因子であるEHF による大腸がん細胞における新たな蛋白質安定化機構の実体を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度の研究を継続及び進展させるとともに、MS解析によってEHF依存的にMDM2の安定化を制御する因子を探索中であり、新たに同定されたMDM2ユビキチン制御因子による新しい大腸がん生存メカニズムの解明に注力するため。基金形式である本研究費の特性を活用し、次年度への繰越を実施した。 実験用の試薬及び消耗品の充実のため使用する見込みである。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The pleiotrophin-ALK axis is required for tumorigenicity of glioblastoma stem cells.2014
Author(s)
Koyama-Nasu R, Haruta R, Nasu-Nishimura Y, Taniue K, Katou Y, Shirahige K, Todo T, Ino Y, Mukasa A, Saito N, Matsui M, Takahashi R, Hoshino-Okubo A, Sugano H, Manabe E, Funato K, Akiyama T.
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Journal Title
Oncogene
Volume: 33
Pages: 2236-44
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] PCDH10 is required for the tumorigenicity of glioblastoma cells.2014
Author(s)
Echizen K, Nakada M, Hayashi T, Sabit H, Furuta T, Nakai M, Koyama-Nasu R, Nishimura Y, Taniue K, Morishita Y, Hirano S, Terai K, Todo T, Ino Y, Mukasa A, Takayanagi S, Ohtani R, Saito N, Akiyama T.
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 444
Pages: 13-8
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] The role of miR-363-GATA6-Lgr5 pathway in colorectal tumorigenesis2013
Author(s)
Yoshihiro Kawasaki1, Shinnosuke Tsuji1, Shiori Furukawa1, Kenzui Taniue1, Tomoatsu Hayashi1, Masaya Hiyoshi2, Joji Kitayama2, Tetsu Akiyama1 (1Inst. Mol. Cell. Biosci., The Univ. of Tokyo, 2Sch. Med., The Univ. of Tokyo)"
Organizer
第72回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
パシフィコ横浜
Year and Date
20131003-20131005
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