2014 Fiscal Year Annual Research Report
NDRG1欠失変異による血管新生及び腫瘍関連マクロファージ機能の抑制機序の解明
Project/Area Number |
25830083
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡 公佑 九州大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90596834)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | NDRG1 / 血管新生 / マクロファージ / がん / VEGF |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はがん間質におけるN-myc downstream regulated gene 1 (NDRG1)の発現に注目し、宿主NDRG1のがん血管新生と腫瘍関連マクロファージへの関与を明らかにするためNDRG1ノックアウト(KO)マウスを駆使した研究を行っている。前年度までに、野生型(WT)マウスと比較してNDRG1KOマウスでは、①マクロファージへの分化能と腫瘍関連マクロファージの血管新生能の低下、②VEGF誘導の血管新生の著明な減少を観察している。そこで本年度の研究ではこれらの知見に基づき、以下のことを明らかにした。 (1) 放射線照射により骨髄抑制を行ったWTマウスへ、がん細胞とWTまたはNDRG1KOマウス骨髄細胞より樹立したマクロファージを含有したマトリゲルの皮下移植を行った。その結果、WTマクロファージを含有したマトリゲル内にはがん細胞単独と比較して約2倍の血管密度の増加が観察されたが、NDRG1KOマクロファージを含有したマトリゲルでは増加は観察されなかった。 (2) NDRG1KOマウスの骨髄及び腹腔内より樹立したマクロファージは、がん細胞培養上清刺激によるVEGFやTNF-α、IL-10などの発現上昇がWTと比較して有意に低下していた。 (3) WT及びNDRG1KOマウスの肺組織よりそれぞれCD31標識磁気ビーズを用いて血管内皮細胞を樹立した。これらの血管内皮細胞は形態及び通常培養条件下での増殖能に変化は観察されなかったが、VEGF誘導の増殖能はNDRG1KOマウス由来の血管内皮細胞で有意に低下していた。しかしFGF-2誘導の増殖能には差はみられなかった。 以上の結果より、NDRG1は腫瘍関連マクロファージの浸潤と活性化を介してがん血管新生を制御し、また血管内皮細胞におけるVEGF選択的な血管新生に関与することを明らかにした。これらの事よりNDRG1はマクロファージと血管内皮細胞を介したがん血管新生抑制薬の新たな標的となることが期待できる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Tumor-derived interleukin-1 promotes lymphangiogenesis and lymph node metastasis through M2-type macrophages.2014
Author(s)
Watari K, Shibata T, Kawahara A, Sata K, Nabeshima H, Shinoda A, Abe H, Azuma K, Murakami Y, Izumi H, Takahashi T, Kage M, Kuwano M, Ono M.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e99568
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Tumor-derived interleukin-1 promotes lymphangiogenesis, and lymph node metastasis through activation of M2-type macrophages by lung cancer cells.2014
Author(s)
Kosuke Watari, Tomohiro Shibata, Akihiko Kawahara, Yuichi Murakami, Hiroshi Nabeshima, Ai Shinoda, Koichi Azuma, Hiroto Izumi, Masayoshi Kage, Michihiko Kuwano, Mayumi Ono.
Organizer
AACR Annual Meeting 2014
Place of Presentation
San Diego, CA
Year and Date
2014-04-05 – 2014-04-09
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