2014 Fiscal Year Annual Research Report
アクチン繊維依存的な異常タンパク質の脱凝集と分解除去の新機構
Project/Area Number |
25840066
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
田村 拓 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80363761)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ALS / SOD1 / アクチン / Myosin1b / aggresomes / タンパク質凝集体 / 脱凝集 |
Outline of Annual Research Achievements |
SOD1は活性酸素を除去する酵素であるが、遺伝子変異によりタンパク質がミスフォールディングし、凝集体を形成する。SOD1の変異はALSの発症と強く関連することが広く知られているが、発症に至る分子機構には不明な点が多い。特に、凝集した変異型SOD1の分解機構とその後の細胞毒性を発揮する過程に関与する分子は明らかにされていない。 申請者の所属する研究室は、以前に凝集したSOD1に特異的に相互作用する細胞性因子として、アクチン関連タンパク質を複数同定した。本研究ではその中から、アクチン繊維上を移動するモータータンパク質であるMyosin1bにフォーカスし、変異型SOD1の細胞内分解処理機構のメカニズムを解析した。 変異型SOD1は細胞内で核の近傍にアグリソームと呼ばれる凝集体からなる構造体を形成する。Myosin1bを過剰発現すると、細胞内で変異型SOD1と共局在し、変異型SOD1は細胞内に拡散したことから、Myosin1bがアグリソームに蓄積した変異型SOD1を脱凝集させることで、アクチン繊維を通じて細胞質に戻し、分解を促進させていることが示唆された。また、免疫沈降により、Myosin1bが凝集した変異型SOD1に特異的に相互作用することを確認した。そこで、Myosin1bが変異型SOD1を認識する部位を明らかにするために、機能的ドメインの欠損体を作成した。その結果、凝集体のオートファジーによる分解を促進するオプチニューリンと相互作用する部位を欠失したMyosin1bは、自身が凝集する傾向を示した。これらの結果から、Myosin1bはオプチニューリンとの相互作用を介して、変異型SOD1を細胞内分解に導くことが示唆された。今後は、蛍光タンパク質を発現させた生細胞における解析を行い、アクチン繊維上における変異型SOD1とMyosin1bおよびオプチニューリンの振る舞いを明らかにする。
|
Research Products
(3 results)