2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境DNA分析によるシクリッド魚類群集の多様性把握
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25840144
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
丸山 敦 龍谷大学, 理工学部, 講師 (70368033)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境DNA / マラウイ湖 / シクリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
シクリッド由来の環境DNAを増幅するプライマ設計には、マラウイ湖に生息する全魚種のDNA配列情報が欠かせない。本研究では、2013年前半に湖内で最も魚種数が多いTW島にて111種287個体の収集を行っていた。全魚体試料からDNAを抽出し、当局の許可を得て日本国内に持ち帰った。これらのDNA試料を用い、当初計画通り2013年度後半にミトコンドリアDNAのD-Loop領域の配列解読を終えたが、当該領域のDNA配列は予想以上に種間変異が乏しく、種や属に特異的な環境DNA用プライマを設計するのは困難であることが分かった。これは、網羅的に配列情報を得たからこそ新たに分かった(計画上残念な)知見である。 そこで、2つ対策を講じた。1つは、ティラピアを除く全シクリッドに共通する、かつ固有のD-loop領域内の配列に対しプライマを設計した。このプライマを用いた定量PCRでは、シクリッド群集の内訳を示すことは出来ないが、シクリッド由来の環境DNAが採集できたか否かを半定量的に示すことができる。これにより、昨年度難航した環境DNA回収方法の再検討を進めることができた(下記)。もう1つは、より種間変異がありそうな核DNAのITS領域の配列解読を上記DNA試料に対して行った。配列解読の前処理として行うDNA増幅が、先行研究で紹介されていたプライマでは綺麗に見られなかったために難航したが、研究協力者から新たなプライマの提供を受け、2014年度内に配列情報を得るところまで到達できた。 マラウイ湖水からの環境DNA採取法の再検討については、GFFで回収できない環境DNAが、膜フィルタでは十分量回収できることが分かった。同程度の目合いでも回収量が大きく違うことから、素材の違いが高pH条件下で影響していると考察された。潜水による群集組成調査と並行して膜フィルタを用いた採水を再計画し、2015年内に湖内7地点での採水と環境DNA抽出を完了した。
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Research Products
(6 results)