2014 Fiscal Year Research-status Report
無花粉スギの分子育種基盤の構築とそれを用いた識別DNAマーカーの開発
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25850116
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森口 喜成 新潟大学, 自然科学系, 助教 (60644804)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 無花粉スギ / 連鎖地図 / マーカー選抜 |
Outline of Annual Research Achievements |
4つの無花粉スギの交配家系(TO13S 198個体, S3T67 99個体, F1N4 67個体, T5 173個体)についてms-1を含む領域の詳細な連鎖地図を作製した。TO13S家系は富山不稔(ms1ms1)と小原13号(MS1ms1)のF1と珠洲2号(MS1ms1)との人工交配、S3T67家系は新大3号不稔(ms1ms1)と富山不稔(ms1ms1)と中頚城4号(MS1MS1)との人工交配、F1N4家系は福島不稔1(ms1ms1)と中4号(MS1ms1)との人工交配、T5家系は富山不稔(ms1ms1)と富山不稔(ms1ms1)と中頚城4号(MS1MS1)との人工交配で作出した。雄性不稔遺伝子ms-1近傍のDNAマーカーは家系ごとに異なったが、近傍DNAを用いることにより、これらの交配家系では約96%の精度で無花粉スギを識別することができた。TO13S家系は優良無花粉スギ「立山森の輝き」の生産に使用されている。本研究では、TO13S家系において、無花粉スギを識別するための簡易DNAマーカーを開発した。芽生えから抽出したDNAを鋳型にPCR増幅を行い、アガロースゲルで電気泳動した結果、TO13S家系の無花粉スギを明確に識別することができた。本研究で構築した雄性不稔遺伝子近傍マーカーの探索とその簡易マーカー化の技術を芽生えからの高速DNA抽出法と組み合わせることにより、どのような無花粉スギ品種においても芽生え段階での家系内選抜を行うことができると考えられた。 雄性不稔遺伝子ms-4については、昨年度の花粉稔性評価の結果を確実なものにするため、2014年7月にジベレリン処理を行って雄花の着花促進を行い、2015年3月に花粉稔性を顕微鏡を使用して再評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は、ほぼ申請したとおりに進んでいるため、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、S8HK5家系(新大8号×(新大8号と東蒲原5号のF1))を用いて雄性不稔遺伝子ms-4の連鎖地図上の位置を特定し、ms-4近傍の部分連鎖地図の構築を行う予定である。
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Causes of Carryover |
3月末に予定していた出張が急遽取りやめになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品に使用する予定である。
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