2015 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞特異的な外来遺伝子のゲノム挿入系の開発とその応用
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25850226
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
中村 伸吾 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 講師 (00505323)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子発現制御 / 遺伝子長期発現 / 生体材料 / 肝疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肝臓においてのみ外来遺伝子を持続的に発現させ、且つ人為的にその制御が可能な、簡便で新しいin vivo 遺伝子操作システムの開発を目指している。具体的には、静脈を介した遺伝子導入手法(hydrodynamics-based gene delivery; HGD)による外来遺伝子の肝細胞ゲノムへの永続的挿入、それに基づく生体肝特異的な遺伝子発現の切り替え(gene switching)、生体肝細胞特異的な破壊による肝硬変の誘導(肝硬変モデル動物の作製)を検討する。そして、独自開発の生体材料を用い、この肝硬変を救済できるか検討する。 研究期間の最終年度にあたる本年度は、マウスの肝細胞ゲノムにジフテリア毒素A鎖(DTA)発現遺伝子を挿入したマウスを作製した。gene switchingによってこのマウスのDTA発現遺伝子を発現誘導したところ、肝細胞ゲノム挿入後の期間によって肝機能障害の程度に差異が生じた。それらのマウスは肝硬変には至らない程度のものが大部分であったが、線維化が確認できたものもあった。肝機能障害を呈したマウスに独自開発の生体材料にHGFを担持させた複合体を経静脈的に投与したところ、生化学検査項目における改善の傾向が確認されたものがみられた。 研究期間全体を通じた本研究の成果は、HGDで導入した遺伝子の発現期間を延長させることができたこと、そして、導入した遺伝子による遺伝子の発現切り替えシステムを稼働させることができたという点に集約される。一方、導入遺伝子の発現期間を通常のHGDの場合と比べて大幅に延長させることができたものの永続的なものには出来なかったため、今後はこの点を改良して、肝臓におけるin vivo遺伝子操作システムの利便性の向上を図りたい。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Enhanced healing of mitomycin C-treated healing-impaired wounds in rats with PRP-containing fragmin/protamine microparticles (PRP&F/P MPs).2015
Author(s)
Megumi Takikawa, Masayuki Ishihara, Yuki Takabayashi, Yuki Sumi, Makoto Takikawa, Ryuichi Yoshida, Shingo Nakamura, Hidemi Hattori, Satoshi Yanagibayashi, Naoto Yamamoto, Tomoharu Kiyosawa.
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Journal Title
Journal of Plastic Surgery and Hand Surgery
Volume: 49
Pages: 268-274
DOI
Peer Reviewed
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