2016 Fiscal Year Research-status Report
重要文化的景観の評価方法と保護手法における現状と課題
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25850241
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
惠谷 浩子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, 研究員 (00470287)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化的景観 / 価値 / 保存計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により、保存計画までふくめた評価をするためには、当初想定していたそれぞれの地域での価値のとらえ方による4類型だけでなく、重要文化的景観の選定に取り組むこととなった目的や方法も加味して類型化することが必要と考えた。また、研究計画を作成した後に選定された重要文化的景観も増え、価値付けについてもさらに多様性を増している現状がある。つまり、当初考えていた(1)残ってきた物の価値を最上に置く事例(一関本寺,田染荘,蕨野の棚田など)、(2)生活・生業の持続性を最上に置く事例(近江八幡,小鹿田焼,別府など)、(3)変化しながらも信仰・民俗的アイデンティティを保ってきた事例(沙流川流域,平戸島など)、(4)諸要素が複合することで価値を生んでいる事例(沙流川流域,平戸島など)だけではとらえきれないことが分かった。そこで、これら4類型の区分以外にも、世界遺産登録に関係した事例や、既選定の重要文化的景観に関連する事例(高島市,中土佐町)、都市域の文化的景観の事例(宇治市,金沢市,京都市)等も視野に置いた類型を再考することとした。 平成27年度までの調査・検討をふまえ、研究内容の中間発表を、5月の日本造園学会全国大会ミニフォーラムにておこなった。発表タイトルは「日本における文化的景観の20年」とした。また、長崎県新上五島町や福岡県うきは市等の調査報告書及び保存計画を入手するなど、情報収集や整理も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年8月から平成29年3月まで産前産後の休暇及び育児休業を取得したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に実施する予定としていた重要文化的景観の現地詳細調査をおこなうとともに、研究成果の公表にむけた調査内容のさらなる整理・検討、また学会等での発表を積極的におこなう。
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Causes of Carryover |
産前産後の休暇又は育児休業により平成28年8月から平成29年3月にかけて中断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地調査をおこなっていない地域について調査を実施する。また、成果の整理をすすめ、学会や研究会等での発表をおこなう。
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Research Products
(1 results)