2014 Fiscal Year Research-status Report
美白薬の創薬研究を目指した未利用植物資源からの新規機能性物質の探索
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25860078
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉本 幸子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 講師 (60549012)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Syzygium samarangense / Centella asiatica / DPPHラジカル消去活性 / 糖化抑制活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝的多様性に富む亜熱帯・熱帯地域の未解析植物資源から化合物の単離・精製を行い物理化学データの解析を行い、その化学構造を決定した後に、アンチエイジングを目的とした美肌作用を検討するため、メラニン産生抑制、チロシナーゼ阻害、最終糖化生成抑制、コラゲナーゼ阻害、DPPHラジカル消去活性などの検討をする。また類縁化合物を単離し、それらについて構造活性相関研究を行うことを研究の目的とする。 平成26年度に用いた研究材料の一つはアーユルヴェーダ生薬のツボクサ(Centella asiatica)である。ツボクサは若返りのハーブとして東南アジアでは食用とされているが、その詳しい成分などは未詳であり研究に着手したところ、一種の新規化合物を単離構造決定するとともに、ツボクサ含有フラボノイド類に最終糖化生成抑制作用、チロシナーゼ阻害活性が認められ、アンチエイジング植物として有用であることを示した。またこの結果については日本薬学会で発表を行っている。 また、エジプトで採取したレンブ(Syzygium samarangense)葉部についての成分探索を行い、新規化合物を三種得ることができた。そのうち、ニトリル基を持った芳香族化合物と、硫酸エステル基を有するフラボノイド配糖体には、ポジティブコントロールとして用いたTroloxよりも強いDPPHラジカル消去活性を示すことを明らかとし、国際学会で発表を行い、国際誌に投稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に新たに研究材料とした植物より、シワなどの原因となる最終糖化生成を抑制する化合物のほかに、チロシナーゼ阻害化合物、またDPPHラジカル消去活性化合物をそれぞれ同定することができている。また、DPPHラジカル消去活性を示す化合物は新規化合物であり、ポジティブコントロールと比較しても強い活性を示すことを明らかにした。 また得られた研究結果について、国際学会を始め国内学会でも発表し、国際誌に数報報告できていることからも、おおむね順調に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
植物からの単離・構造決定は引き続き行うものとし、今年度新たに立ち上げる抗プラスミン活性について検討を行い、各美肌用薬のリード化合物の決定を行う。また、ほかに検討したい活性試験としては、長年使われてきた活性方法であるヒアルロニダーゼ阻害試験ではあるがスケールが大きいため、一回の必要な試薬、化合物等の量が多いのがネックである。そこで、小スケールでも検討できるように、ヒアルロニダーゼ阻害試験について改良を検討する。また、本試験が形になれば合わせて活性を評価していく予定である。
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[Journal Article] Constituents of flowers of Paeoniaceae plants, Paeonia suffruticosa and Paeonia lactiflora2015
Author(s)
Ogawa, Keiko; Nakamura, Seikou; Sugimoto, Sachiko; Tsukioka, Junko; Hinomaru, Fusako; Nakashima, Souichi; Matsumoto, Takahiro; Ohta, Tomoe; Fujimoto, Katsuyoshi; Yoshikawa, Masayuki
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Journal Title
Phytochemistry Letters
Volume: 12
Pages: 98-104
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] メディシナルフラワー研究: ボタンおよびシャクヤク花部の抗酸化作用成分2015
Author(s)
小川 慶子, 中村 誠宏, 杉本 幸子, 月岡 淳子, 日丸 富紗子, 中嶋 総一, 松本 崇宏, 太田 智絵, 吉川 雅之, 松田 久司,
Organizer
日本薬学会 第135年会
Place of Presentation
兵庫医療大学 (兵庫)
Year and Date
2015-03-25 – 2015-03-28
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