2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenicity and antimicrobial resistance in Enterohepatic Helicobacters
Project/Area Number |
25860105
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
林原 絵美子 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (20349822)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Helicobacter cinaedi / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管Helicobacterのうち,人からの分離頻度が多いH. cinaediに着目し,薬剤耐性機構の解析を行った. これまで明らかにしてきた変異による耐性に加え,薬剤排出ポンプの寄与を検討した.日本の臨床分離株を用いて薬剤排出ポンプをコードする遺伝子の発現量を解析した結果,一部のクラリスロマイシン高度耐性株やシプロフロキサシン高度耐性株は,低度耐性株に比べて発現量が多いことが分かった.また,b-lactam薬高度耐性株においても薬剤排出ポンプ遺伝子発現量が多かった.一方,b-lactam薬高度耐性株と同じMLSTタイプを示し同じ病院から分離されたb-lactam薬感受性株も高度耐性株と同様に薬剤排出ポンプ発現量が高いことが分かった.排出ポンプの耐性への寄与を明らかにするために,薬剤排出ポンプをコードする遺伝子のノックアウト株を作製し,薬剤感受性を野生株と比較した.その結果,内膜トランスポーターであるCmeBのノックアウト株と外膜チャネルタンパク質であるCmeDのノックアウト株において,セフトリアキソンのMICがそれぞれ8倍と64倍低下した.またシプロフロキサシンのMICは,CmeDノックアウト株および内膜トランスポーターであるCmeFのノックアウト株においてそれぞれ4-16倍,2-4倍低下した.一方,マクロライドの感受性はノックアウトによる変化はなかった.これらのデータをもとに,H. cinaediの薬剤感受性に関するデータをまとめ,論文投稿中である.
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