2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25860143
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
原口 竜摩 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00423690)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 雌性生殖器 / ミュラー管 / ウォルフ管 / Shhシグナル / Genetic Lineage Tracing法 |
Outline of Annual Research Achievements |
雌性生殖器の発生は、雌性生殖管のミュラー管を基軸に進展するという考えが主流であるが、その一方で、雌個体では消失する雄性生殖管のウォルフ管が雌性生殖器の発生に必須であるとの知見が存在する。これまでその作用機序の詳細は不明であったが、生殖管系のうちウォルフ管でのみ発現するShh遺伝子が欠損した雌個体が生殖器の発生異常を示すという最新の実験結果をもとに、申請者は、Shhシグナルがウォルフ管と雌性生殖器の発生を結びつける分子実体として機能している可能性を考えるに至っている。本研究では、ウォルフ管由来Shhシグナルを受容した細胞群の挙動と分子特性を示す細胞系譜地図をGenetic Lineage Tracing法により作製し、それを既知の雌性生殖器の発生基盤情報と照合することで、雄性生殖管を基軸とした雌性生殖器の新たな発生基盤の全容解明を試みた。 本研究課題では、ウォルフ管から分泌されるShhシグナルが雌性生殖器の発生に関与する際の作用機序を明確に示した。ウォルフ管由来のShhシグナルを受容した細胞が、雌性生殖器の組織構築に直接的に寄与することを、Gnetic Lineage Tracing法により作製した細胞系譜地図を作成することで明らかにした。ウォルフ管由来のShhシグナルを受容した細胞は、子宮内膜組織、及び子宮平滑筋組織へと分化することが明らかとなったが、Shhシグナルを受容するタイミングによって、Shhシグナル受容細胞の組織分布に違いが見られたことから、子宮の各組織において、ヘッジホッグシグナルに対する応答性のタイムウィンドウが異なる可能性が強く推察された。
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