2014 Fiscal Year Research-status Report
3次元空間イメージングによる肺静脈心筋自発活動の発生および伝播機序の解明
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25860194
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
行方 衣由紀 東邦大学, 薬学部, 講師 (30510309)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自発活動 / 肺静脈心筋 / イメージング / 心房細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺静脈心筋は電気的に不安定であり自発活動を示すことが知られている。肺静脈での異常な電気的興奮が心臓に伝わると心房細動などの不整脈になることが示されており、肺静脈の性質を明らかにすることは重要である。本研究の目的は、この肺静脈の電気的自発活動に焦点を当て、組織の立体構造を保持した肺静脈標本に高速3次元共焦点顕微鏡法を適用し、細胞から組織レベルまでの総合的視点から、自発活動の発生および伝播機序を解明することである。 今年度はこれまでの研究で顕微鏡観察に適していることを見出したマウス肺静脈摘出組織標本の電気生理学的特徴についてさらなる検討を行った。マウス肺静脈摘出組織標本の心筋層にガラス微小電極を刺入し、電気活動を記録した。約半分の標本で自発的電気活動が見られ、連続発火、バースト状の間欠的な発火の両方が見られた。特にバースト状の間欠的な発火は、多種では報告例の少ないものであり、マウス肺静脈心筋特有の現象である可能性が考えられた。次に肺静脈心筋の自発活動の発生機序を検討するため、細胞膜上に存在するカルシウムイオンチャネル、トランスポーターおよび筋小胞体の阻害薬を処置した。その結果、マウス肺静脈心筋の自発活動はナトリウム・カルシウム交換機構阻害薬のSEA0400およびL型カルシウムチャネル遮断薬のnifedipine によって頻度の低下や停止が観察された。しかし、T型カルシウムチャネル遮断薬R(-)-efonidipine によって頻度の低下や停止は観察されなかった。一方、自発活動はRyanodine受容体遮断薬のRyanodine およびIP3受容体遮断薬の2-Aminoethoxydiphenyl borateによって自発活動の頻度の低下および停止が観察された。以上の結果より、マウス肺静脈心筋の自発活動には筋小胞体からのカルシウムの放出と細胞膜を介したカルシウム流入が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに、マウスの肺静脈心筋標本が、顕微鏡観察に適していることを見出した。今年度は、各種阻害薬を投与することによって自発活動に関与するカルシウムイオンチャネルやカルシウムのトランスポーターを明らかにすることができた。 今後は、高速スキャン顕微鏡の導入によって、ミリ秒単位で変動する心筋細胞の膜電位やカルシウムオシレーションを捉えることを目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
組織レベルでの膜電位やカルシウムのオシレーションの伝播を高速スキャンよって2次元および3次元空間的にミリ秒単位で捉えることを目指す。また神経伝達物質・ホルモンの影響により自発活動の発生機序や伝播様式が変化するか否か、細胞内カルシウム動態や循環器疾患の発症と深く関連すると予想される交感神経伝達物質noradrenaline、副交感神経伝達物質acetylcholine、angiotensin II、aldosteroneなどの影響下で検討を行う。さらに免疫組織学的手法を加え、自発活動に関与する分子の存在部位や比率を3次元空間的に解析し、自発活動の発生頻度との相関を取ることで、自発活動の易発生部位とその機序を明らかにすることを目指す。
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Research Products
(24 results)