2014 Fiscal Year Research-status Report
肺腺癌の悪性化に関わるケモカインネットワークの解明
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25860272
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梅田 茂明 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30644439)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サイトカイン / 肺腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に明らかになった変異型EGFR遺伝子と変異型KRAS遺伝子の下流共通項の候補分子である可能性のあるサイトカイン遺伝子(CCL3, IL24, IL1B)のうち、IL24に着目して研究を進めた。IL24の遺伝子をクローニングし、不死化気道上皮細胞株や肺癌細胞株にレトロウィルスを用いて導入した。肺癌細胞株のH1299に導入したところ、マイグレーションアッセイで遊走能の低下やソフトアガールでのコロニー形成の抑制が認められた。現在、再試験や他の癌細胞株で同様の実験を施行中である。臨床検体を用いて、IL24の免疫染色を行った結果、肺腺癌では肺胞上皮置換性増殖型腺癌で有意な発現の低下が見られた。低分化癌や進行癌におけるIL24の発現低下の所見からは、IL24ががんの進行に関与している可能性が示唆された。 KRAS遺伝子下流分子候補のCXCL7, CXCL2については、細胞株でmRNA発現解析を行ったところ、幾つかの肺癌細胞株ではCXCL7の完全な発現の消失が見られた。臨床検体を用いたCXCL7およびその受容体蛋白であるCXCR2のmRNA発現解析を行ったところ、非腫瘍部では腫瘍部と比較してCXCL7の有意な発現低下が見られた。CXCL7とCXCR2の発現は正に相関していた。CXCL7/CXCR2軸が腫瘍化に関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞株でのIL24遺伝子導入の際に条件検討に苦慮し時間がかかった。IL24免疫染色で抗体の反応性や特異性を得るために複数の抗体を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
IL24については肺腺癌細胞株での機能解析を完了し結果を論文化する予定である。また、CXCL2/CXCR7については、臨床検体を用いてCXCR2の免疫染色を行い、臨床病理学的因子との相関を検討する予定。
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Causes of Carryover |
条件検討のため再試実験を何度も行い、新たな実験項目に着手することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ケモカインリガンド・受容体の免疫染色に必要な抗体を購入する。
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