2014 Fiscal Year Research-status Report
大腸がんリンパ節転移決定因子であるbuddingの分子機構解明
Project/Area Number |
25860289
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
国田 朱子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50608768)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 浸潤 / 大腸がん |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)budding形成大腸がん組織におけるpodoplaninの発現検討 前年度までに大腸がんリンパ節転移に関与するbuddingの浸潤機構解明を目的としてbuddingを形成した大腸がん検体の選定を行った。budding部位でのpodoplanin発現を免疫組織化学染色によりpodoplanin抗体(NZ-1)による検討を行ったが陽性率が低かった為、他の抗体を用いてさらなる染色条件の最適化を行った。その結果新規に樹立されたLpMab-7 (Kato et al Sci Rep. 2014)の染色性が最も高い感度を示し、さらに自動免疫染色装置によっても高い染色性を示し、これまで検出不可能であった低発現のpodoplaninの検出が可能となった。 (2)in vitroおよびin vivo buddingモデルの構築 大腸がん細胞株をコラーゲンを含む培地で三次元培養を行うことにより前年度以上にbuddingに近似した浸潤形態を構築することができた。さらにin vivoモデルとしてマウスの大腸を三次元培養を行い、様々な増殖因子を添加することによりbudding様の形態がみられるか検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
budding形成分子機構の解明を目的としてbudding形成部位のpodoplanin発現を検討したが、十分な陽性率が得られなかった為、さらなる免疫組織化学染色の条件の最適化を行う事となり遺伝子発現プロファイルの解析まで行う事ができなかった。podoplaninの発現量が低い事が原因と考えられたが新規に樹立された高感度の抗体で染色を行う事により最適化を行う事ができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
新規podoplanin抗体(LpMab-7)を用いた免疫組織化学染色によりbudding部位でpodoplanin陽性が認められた部位、腫瘍部、正常粘膜を切り出し遺伝子発現プロファイル解析を行う。解析の結果budding部位で発現変動がみられた遺伝子群を安定的に発現する大腸がん細胞株を作製し免疫不全マウスの皮下に移植し、budding様の形態が認められるか解析を行う。budding形態が認められた遺伝子についてはin vitroでの細胞増殖、細胞遊走能について検討を行う。遺伝子発現プロファイル解析の結果変動していたパスウェイを抑制する薬剤を用いてin vitroで細胞増殖、細胞遊走能の抑制およびin vivoでのbudding形態の抑制がみられる薬剤を検索し臨床応用をめざす。
|
Causes of Carryover |
本年度に行う予定であった免疫組織染色の為の抗体が年度内納品が間に合わなかった為翌年度に購入を延期した為。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
免疫組織化学染色の為の抗体購入に使用する。
|